第63話 夕立


広がり始めた雨雲に

イラッとして舌打ちする

どれだけこちらの行く手を

邪魔すれば気が済むのか

少しずつ広がって行く

鈍い頭痛を抑え込むため

鎮痛剤とともに

このイラつきを噛み砕く


夕立は嫌いだ


それでも不適に笑って見せる

今さらそんなものに

邪魔なんてさせないから

思い通りに行かない毎日の中

僅かに覗く夕焼けだけ見て歩くから

さあ、降れるもんなら降りやがれ

これは私の宣戦布告


雨なんかには、負けない

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