第11話 天空の種
ガルダイン:ゆさゆさ、ゆさゆさ、ペパーミントをゆさゆさ。
GM:それでも兎は起きません。
ガルダイン:「中々の強敵だったな・・・」
ペパーミント:「すやすやぁ~」
マリア:「ペパー?ペパー、朝ですのよ。」
ペパーミント:「すやすやぁ~」
ガルダイン:「おい起きろ!」鍋兜をガンガンガンガン!
GM:それでも兎は起きません。
ペパーミント:「あ~もう人参食べられないよ~、むにゃむにゃ」
ガルダイン:酒の瓶をポンッと開けて顔にぶっかけます。
ガルダイン:「ほら、いい加減起きろ。」
GM:それでも兎は起きません。
ペパーミント:「酒臭い人参だよぉ~、むにゃむにゃ」
ヒューゴー:だったら後ろでアーリーバードを延々と流し始めましょう。
GM:お、それであれば何度か演奏してる内に起きるでしょうね。
ペパーミント:ではガバッと勢いよく飛び起きて
ペパーミント:「人参さんアタシを食べないで!?」
マリア:「おはよう、ペパー。今良い匂いしてますわよ。」
ペパーミント:「はぁ・・・はぁ・・・人参に食べられるかと思ったわ・・・」
ガルダイン:「中々良い味が出そうだな。」
ペパーミント:「もしかして今アタシを食べる話をしてた?」
ガルダイン:「ん?いやいや、仲間を食べる筈がないだろう?」
ペパーミント:「でもどうやらアレは居なくなったようね。」
マリア:「あれは一体何だったのでしょうね。」
ヒューゴー:「良く見えなかったがツタの様な物が襲ってきた・・・おそらく地獄の眷属に違いない。」
ガルダイン:そういえば今もまだ闇の霧は晴れてないのかな?
GM:そうですね、未だに貴方達は闇の霧の中に居ますが・・・手の感触を頼りに探索すれば扉の様なものに辿り着きます。
ペパーミント:ぺたぺた
マリア:ぺたぺた
GM:少し調べれば判りますが特にその扉に鍵等が掛かっていないようですね。
ガルダイン:開けますよガチャー
GM:では扉を開けると同時に闇の霧が晴れて行きます。正規ルートにお帰りなさい・・・
ペパーミント:え!?今なんて!?
GM:ナンデモナイデスヨ。
ヒューゴー:あの怪植物と闇の中で戦わない手段があったんですか!?
GM:アッタンデスヨネ、コレガ。
ガルダイン:まぁ穴が入りますからね我等。
ペパーミント:入ってくれぇ、穴があったら
ヒューゴー:いや~、穴があったら入りたい気分だよ今は。
マリア:入ったんだよ今さっき!
GM:では描写しますね・・・
扉の先には石造りの階段があり、この階段がが曲線を描いている為に何処へつながってるかはまだ不明ではあるが登り階段である為、おそらく上の階のどこかに繋がっているというのが判るだろう。
そして扉を開けたと同時に闇の霧が晴れ、中央の天窓から太陽光が差し込んで部屋全体を照らしていく。
辺りを見渡せばここは何かしらの遺跡だったのか土に埋もれた他へ続く扉や所々には遺跡の物と思わしき壁が見え隠れし、
上を見上げればびっしりと植物の蔦が張り巡らされていたが、今はもう貴方達の手によって地に落ちています。
そして部屋の中央には直径30cmもある大きな植物の種が空から降り注ぐ太陽光も相まってスポットライトを当てられたようにそこに鎮座している。
ペパーミント:「あれが探していた天空の種かな?」
ニコ(GM):「・・・あっ、あれっ、あれっス!あれが天空の種ッス!!!」
GM:ドタバタと転びかけながらも急いで踵を返し天空の種に近づいて行きます。
ガルダイン:尊さが限界を迎えたオタクみたいになってる(笑)
ペパーミント:『しんどい待って無理・・・』って言ってるオタク化してる・・・
GM:手が震え、慌ててはいるものの手際よく用意していた箱に天空の種を回収していきますね。
ヒューゴー:ではそれを横目にしながら先程の怪植物から戦利品を剥ぎ取ってましょうかね。
GM:後なんならヒューゴーが剥ぎ取っている10分でもう一度先程の怪植物の魔物知識振ってもいいですよ。
マリア:暇ですし振るかぁ!
ペパーミント:「どう?食べれそう?」振るぞ振るぞー!なんだったんだこいつ!
マリアとペパーミントがまた失敗するがヒューゴーが知名度を抜き、
ガルダインに限っては自動成功をする。もっと六ゾロ運を良い所で使ってもらいたい。
全員:おー!
ガルダイン:食べれる!食べれるぞこの達成値は!!
ヒューゴー:調理法まで的確に見抜いてますよこれは!
マリア:可食部まで見抜いたんでしょうね。
ガルダイン:「おお、こいつは食えそうだな・・・」
ペパーミント:「本当!?じゃあおじさん何か作ってよ!」
ガルダイン:「ああ、これを借りる事になるがな。」鍋兜をコンコンっとな
ペパーミント:「これなら貸してあげるわよ!」
マリア:ここで使われるのか鍋兜(笑)
GM:君ら私がデータ引っ張ってる間にボスを喰おうとしないでぇ!?
おら!ボスのデータ出しますよ!メリアミストゥルゥだ!
【メリアミストゥルゥについて】
他の種に寄生して養分を吸収する植物です。蔦の塊のような見た目をしており、普段は地面を這うように移動します。頻繁に寄生する相手を変えるのが特徴です。一班には植物に寄生しますが稀に人族や蛮族、動物に寄生する事があります。出自故か人族の中ではメリア、蛮族ではあるボルガ狙われ寄生されるケースが目立ちます。人族や蛮族、動物への寄生は宿主の声明を速やかに奪う物であり、これと単独で出会うのは大変危険です。森で目撃報告があれば、大規模な掃討作戦が組まれることも珍しくありません。魔法生物に攻撃を加える事は無い為、そういう時には操霊術師が重宝されています。
また能力の一つとして『〇着床』という能力があり、攻撃が当たった場合に対象は眠ってしまうがこれが非常に厄介で『時間経過・自然な方法で起きず魔法や呪歌でしか起きない』という単独で出会えば即死級の危険な植物の魔物だったりする。
ヒューゴー:あー、メリアミストゥルゥか!アーリーバード無ければヤバかったですね。
ガルダイン:「マリア狙われなくて良かったな。」
マリア:「離れてて良かったですわ・・・」
ヒューゴー:「もしこの最強勢が前に出ていなかったらマリアが狙われていたかもしれんな・・・・」
ガルダイン:「いや、俺達は最強のパーティーだから全員最強なんだぜ?」
ペパーミント:「そうよ、皆が何かしらの最強を抱えているんでしょ?ヒューゴーの歌も最強なんでしょ?」
ヒューゴー:「お、俺は歌わないぞ!!!」
ガルダイン:「ああ、帰りの道中ではぜひ聞かせて貰いたいもんだな!」
ヒューゴー:「歌わないと言ってるだろぉ・・・?」
マリア:「勝利の歌を歌ってくださるのかしら?」
ヒューゴー:物凄い縮こまっていきます。
ガルダイン:「楽器の腕は相当なものだった、歌の方も相当なものだろう。」
ペパーミント:「ねぇ聞かせてよ聞かせてよ~!」
ヒューゴー:「や、やめろぉ!俺の相棒のフルートに触れるんじゃない!!」
ニコ(GM):「まぁまぁ・・・歌は帰り道で聞かせて貰うとしてとりあえず帰路につきましょうよ。こうして天空の種も手に入った事ッスから!」
GM:上機嫌でポンポンと天空の種が入った箱を軽く叩きます。
ガルダイン:「待て待て、まだやることがあるだろう?」
ニコ(GM):「やること・・?あったッスか?」
ガルダイン:「この魔物、可食部があるだろう?」
ニコ(GM):「えっ」
ペパーミント:「そうだよ!この部分とかコリコリして美味しそうだよ!?」ってナイフでスパスパ一口サイズに切り分けておこう。
ニコ(GM):「・・・・喰うんスか?ソレ。」
ガルダイン:「ああ、勿論だとも。」
ヒューゴー:「さっきボルグの死体をペッと吐き出した奴だぞ、こいつ・・・」
ガルダイン:「大丈夫だ、ペパーが喰えると言ってるんだ。喰えるさ。」
GM:確かにペパーミント食物連鎖の頂点に立ちたいって言ってましたね???
ペパーミント:「食物連鎖の頂点に立つためにはこれぐらい食べれて当然よ!」
マリア:皆がそうやってワチャワチャしてる所で手を叩いて
マリア:「さ、依頼は帰るまでですわよ!」
ガルダイン:「え、可食部はどうするんだ・・・?」
ペパーミント:「食べて行かないの?」
マリア:「ほら、依頼の報酬で美味しいご飯が食べられますわよ。」
ニコ(GM):「そうそう!マジで天空の種が見つかるとは思ってなかったッスから追加報酬も出しまスんでちゃちゃっと帰っちゃいましょうッス。」
マリア:「お酒が飲めますわよガルダイン。」
ガルダイン:「追加報酬が出るなら仕方ないな・・・よし帰るぞお前ら!」
ペパーミント:「え~?食べようよ~。」って言いながら蔦をずるずる引きずりながら着いて行きます。
マリア:「もう・・・一本だけですわよ?」
ペパーミント:「やったー!帰って天麩羅にするんだー!!」
マリア:「さ、もういいですわね?帰りますわよ。」
GM:完全に動きが幼稚園の先生のソレ。
ヒューゴー:なんたってマリアは我等の引率の先生だからな・・
ペパーミント:ありがとうお母さん。
マリア:ペパーミントは産んでないのよ(笑)
GM:えー、では帰路に着くということでしたがどちらから行きます?
一応上から垂らしたロープからも帰れますし、扉の奥の階段の方に向かう事も出来ます。
マリア:ロープ垂らしてあるしここ登って帰ってもいいのよね・・・
ヒューゴー:でもせっかくだし知らないルート通って行きたいですよね?
ペパーミント:まだ鳥と植物のレリーフ使ってないですし、階段で。
ガルダイン:うむ、階段だ階段を上ってみよう。
ペパーミント:流石にロープを使わないと最強じゃないとかはいいませんし
GM:では階段を道なりに上っていくと先程地下で開けた扉と殆ど同じような扉に辿り着くでしょう。
ガルダイン:開けますガチャー!
ガルダインが開けようとすれば扉の向こう側に何かが引っかかっているのか、簡単には開きそうにはない。
ただ、しっかりと本腰を入れて扉を開けようとすればブチブチと紐が切れるような音と共にゆっくりと扉は開き先程見た光景・・・冒険者達は『中央の部屋』へと舞い戻ってくるだろう。
ただし最初の時とは二つ程変化があり、一つは中央の大穴は闇に包まれておらず除けば天空の種が置いてあった台座が見えるだろう。
そして二つ目は後ろを振り向けばどうやら私達が外から入って来た道の対角上に壁に張り巡らされた蔦で隠された扉があったようだ。
マリア:あ、これ先程と違って上から地下マップ覗けるようになってるの?
GM:ですね、地下の闇の霧が解除されましたので地上階からでも地下が覗けるようになりました。
ペパーミント:は~、なるほどね・・・
扉の周りを確認すれば先程強引に開けた影響で千切れた蔦が辺りに飛び散り、
改めて中央の部屋側から扉を見れば何やらレリーフを嵌めこむ窪みがあるのを冒険者達は見つける。
ヒューゴー:あ・・・そういうことかぁ!!
GM:いやぁ、レリーフはドコデツカウンデショウネー!
ペパーミント:ワカラナイデスネー!
ガルダイン:「おいおい・・・こりゃ大分無駄骨をおったようだな。」
マリア:「多分本来はこの扉の鍵だったのでしょうけど・・・記念品として持ち帰りましょ。」
ニコ(GM):「結局天空の種は手に入ったんスから問題ないッスないッス!」
ペパーミント:「結局早道出来たってだけだし、いいのいいの!」
ヒューゴー:「仕方あるまい、このレリーフは我が帽子の飾りの一つとさせて貰おう。」
マリア:「いいですわね~、きっと似合いますわヒューゴー。」
ヒューゴー:「・・・・う、うん。そうだね。(小声)」
マリア:まーた照れとるぞこいつ!
ヒューゴー:褒められ慣れてないだけよ。
ガルダイン:「俺も何かヒューゴーの頭付けるものを用意するべきか・・・」
ヒューゴー:「酒瓶の蓋か何かを付けようとしたら許さないからな!?」
ペパーミント:「じゃあヒューゴーは頭の帽子に『最強』って書けばいいんじゃない?」
ガルダイン:「おお、それなら良い彫り師を紹介しようか。」
ペパーミント:「私の中では最強のバードだよ?」
ニコ(GM):「まぁ頭につけるなり最強掘るなりどっちでもいいッスから早く帰るッスよ!?」
マリア:早く帰って研究したいもんねぇ
GM:同人誌を得たオタクの如く早く帰りたがりますよ。
ペパーミント:「皆何してるの?早く帰るわよ!」
ヒューゴー:「さぁ凱旋だ・・・」
GM:では冒険者達はこの洞窟を後にし、第二都市ヒスダリアへと降りたのちに列車にてキングスフォールへの帰路へとつきます。
マリア:また列車の旅ですがガルダインは大丈夫ですか・・・?
ガルダイン:・・・・帰り道は別の方法で帰らんか?
ペパーミント:「もっとスピード出してー!出してー!!!」
マリア:まぁ!楽しい旅ですわ!
ガルダイン:泣いてます。
ヒューゴー:そうだな、帰りの列車の中で今回の旅の事を本に書いていますね。
ガルダイン:「お?何を書いているんだ?」
ヒューゴー:「秘密だ・・・」といってぱたんと。
ガルダイン:「良いじゃないか死線を共に潜り抜けた中じゃないか!」
ヒューゴー:「ええい、やめろ!見るな見るな!」
ガルダイン:では反対側から引っ張ります。
ペパーミント:じゃあガルダインの反対側から更に引っ張りますよ!
ペパーミント:「何書いてるのー!?私も見せて見せてー!!」
ガルダイン:「そうだぞ、減るもんじゃないぞ!」
ヒューゴー:「やめ、やめろぉー!!僕の本がミチミチ悲鳴をあげてるだろー!?」
マリア:「それ以上は・・・」
ビッと何かが破れ始める音が聞こえる。
全員:「あっ」
こうして貴方達は天空の種を手にし、帰路へとつく。
帰りの列車の中では依頼者ニコが目を輝かせて天空の種を見つめている傍らでは、
何か紙が裂けるような音と共に悲鳴があがったりと騒がしい帰路になるだろう。
強敵達との戦いの疲労もあり睡魔に負けてしまうかもしれない。
ただ、その薄れ行く意識の中であっても映る天空の種を見つめるニコの笑顔。
今回の依頼はこの一瞬のためにあったのかもしれない。
..............
..........
.......
...
後日、貴方達の所属する灰色の瞳亭に一通の手紙が貴方達の元へと届く。
それは所々土で汚れた手紙であり、中には一文だけ。
____『芽吹いた』___ と。
『Sky tree』第一章 天空への種 銀色のかぼちゃ @pumpkin50yen
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