7枚目:誘い

何とも言えない蠱惑こわく的なその光。


辿れば甘美な時間を過ごせるであろうよ。


さあ行くんだ。


なに、資格などないよ、ただその光に誘導されるがままに歩めばいいだけの事。


よく見て、見失ってはいけない。


ほら、可愛らしい笑い声が聞こえてくるだろう。


そのまま彼女に手を預けて。


そう、そのままついていけばいい。


何だって、周りが心配する?


大丈夫、瞬きの間に終わってしまうよ。


それよりも今は彼女についていくんだ。


きっと君も気に入ってくれる。


さあ近づいてきた。


ご覧、君を歓迎して皆が手を振っている。


ああ、楽器までお出迎えだ、君は実に運がいい。


彼女たちがここまで盛大に迎え入れてくれるなんて、気分屋なあれらには珍しいことだ。


ようこそ、僕からも歓迎だ。


これを飲んでご覧。


ふふ、甘いかい?


気に入ってくれたようだね、まだまだ注いであげよう。


焦らずともたっぷり時間はあるんだ。




気分はいかがだい?


…ああ、美しいね。


君の髪がこんなにも引き立つ翅だ、そら飛んでご覧。


どうしたんだい、そんなに怯えなくても大丈夫。


ほら、僕が手ずから教えてあげよう。


折角翅があるんだ、飛んでみないとつまらないだろう。


家?君の家はここじゃあないか。


そう。いい子だ。


僕が君の親で、あれらは君の姉たち。


こんなに沢山家族がいるんだ、退屈はしないだろう?


さあ踊ろう。


ここでは何も心配はいらない。


僕たちと楽しくおかしく暮らそうじゃないか。

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