時代の流れ
バブみ道日丿宮組
お題:名前も知らない映画 制限時間:15分
時代の流れ
「よくそう何時間もテレビを見ていられるわね」
「そういわないでよ。違う番組が絶えずやってるんだ、みなきゃそんだよ。ちなみに、テレビじゃなくて生配信ね」
「テレビとたいして違わないわ。パソコンで見るのがタブレットになっただけ」
「そこは利点じゃない? どこでも見れるし、手軽に持てる」
「そうね。どこにでも持っていけるのはいいことだと思う」
「そうでしょ」
「でも、だからって授業中にまで見なくてもいいじゃない」
「今特別な映画がやっててね、どうしても見なきゃいけないんだ」
「学業を疎かにしたら、先生に怒られるわよ?」
「この学校でやってることは一通り覚えたからね、今更覚えることもないよ。唯一体育と、保険ぐらいかな面白いのは?」
「男子は好きよね。でも、あなたは女子じゃない」
「性別は関係ないよ。身体を動かすこと、身体を知ること。それは結果的に自分へと還ってくる」
「はぁ……それでなんてタイトルの映画なの? さぞ有名な作品なのでしょうね」
「タイトルは知らないよ」
「は? どういうこと? 知らないで見てるの?」
「話題の作品というだけであって、タイトルまでは確認してないよ。第一にそれこそ24時間やってる配信のタイトルを覚えてるのかという質問に近いだよ、それは」
「近くないでしょ。見ようと思った作品の名前ぐらい覚えるものだわ」
「おそらくずっと配信を見てるからだろうね。タイトルというよりか、配役、作風を見るようになった」
「よくわからないわね。普通有名なタイトルだから、作品を見たりするんじゃない?」
「僕にしてみれば、全部が有名なタイトルだよ。知らない世界がここにはある。おっと教師がこちらを見てるよ、そろそろ黙って聞いてあげよう」
「そういいながら、タブレットで音を流すのはどうなの?」
「許可はもらってるよ。特待生の特権でね。だからこそ、君と喋ってても文句をいってこないだろう?」
「そうね。あなたとの対話は私語に含まれないってことなんでしょうね」
「じゃぁ、そろそろいいところに入りそうだから僕は配信に集中するよ」
「そう。私は授業に戻るわ」
時代の流れ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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