モノ書き

バブみ道日丿宮組

お題:今の何か 制限時間:15分

モノ書き

 頭に思い浮かんだ言葉がそのまま現実化すれば、きっといい小説ができる。

「うーん」

 そんなだいそれたことを考えてはみても、夢の出来事を形化することはできてない。

 文を起きてすぐ書いてはみるものの、夢とは違い、面白そうとは思えないものができる。夢を見てるときは面白かったんだけどな、というしょうもない感想しか出てこない。

 作品というのは自分も楽しめてこそのものだと思ってるので、これをそのまま現実に出すことはできない。アレンジすれば当然新作として出すことはできるし、購入してくれる人もいるだろう。

「どうしようかな」

 現に原稿催促のメールは毎日どんどんきてる。担当さんも何度か家にきてる(まぁ彼女は来ることが目的になってるから違う可能性もある)。

 本来であれば、新作を書かず、続編を書くべきなのだろう。

 だが、それも面白いというレベルのものは浮かんでないのが現状だ。

 既刊の彼らが一番イキイキしてるのは夢の中。自分が登場人物の1人になって世界を歩き回る時である。世界を救うことも一度や二度じゃない。もっとたくさんのストーリーが繰り広げられてる。

「……はぁ」

 それを形にできないのは、もしかすると才能がないからなのかもしれない。

 プロと呼ばれて、実際に本にすることができてるのはあるが、それを才能と呼ぶべきでないことは自分でよくわかってる。

 たまたまその話を誰も考えてなかっただけで、もし他の人が書いてたらもっと楽しい小説ができてる。そのぐらいの運がそこにはあった。

 いうなれば、奇跡というやつが起こったともいえるかもしれない。

 そんな奇跡にすがって今日まで生きてきた。

 これからどうなるかはわからない。

 ファンレターや、ダイレクトメッセージなど、感想も毎日もらえてる。アニメ化も何本かしたし、マンガ化もした。

 だけど、それはただの運。たまたま出版社の目にとまって、たまたま枠が空いてた。そういうのが連続してデビューという形になった。


 未だに面白いという作品は夢の中でしかない。


 いっそのこと投げ出して遊び回るというのも一案としてはあるかもしれない。

 そして浮かんだらネット小説として出すのもあるかもしれない。

「……あぁ」

 ほんと夢の中の物語を、形にすることはできないのだろうか。

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モノ書き バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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