第66話 ライン


激しい雨の降る夜

全ての音は

土砂降りの音に消されて

少し平衡感覚を失っている

不安で胸がざわつくから

熱いコーヒーで落ち着こう

お気に入りのコーヒーカップを

カタカタと鳴らして置いた


テーブルの片隅で

ライン通知のライトが点滅してる

触れれば

「大丈夫?」の文字

それだけ

それだけなのがあなたらしい

その4文字が

安心感を胸いっぱいに広げていく


「大丈夫」

私もそれだけ

そして

「おやすみなさい」


まだ、外は激しい雨

でも本当に

もう大丈夫







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