第65話  愛しい時間

眠りに就いた横顔

指先をおでこにあてて

鼻筋から唇に

一直線に辿る

このラインが好き

太い眉から

閉じた瞼

頬を廻って

唇に戻る

このラインも好き

クルクル辿る私の指先が

唇に触れた時に

パクッと噛んで

目を閉じたまま笑う

そんなあなたも好き


腕枕

わたしはあなたの肩を抱き

横顔を見ながら

胸の鼓動を聞いている

それはまるで子守唄のように

柔らかな眠りへと誘う


やがて

もう片方の腕が

気怠さと

甘い蜜を帯びた身体を

また抱きしめる

愛しい時間

深い深い夢のひととき、、






               



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