第54話 九月の空


九月の空は雨に濡れた水色

滴り落ちる雫はまあるくまるく

覗けば遥か緑の水平線が見えてくる

九月の空はいつか見た赤い風船

手のひらから飛ばせば

風に舞い木々に揺れ

草原を駆けぬけて遠い街へと届くだろうか


九月の空を見上げると

愛しい人に逢いたくなる

声を聞き

手に触れて

何にもいらないから

逢いたいのです

聞きたいのです

九月の空の下

待たせてごめんってと

笑って抱きしめてほしいのです








             




                


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