第46話 夏の花火


夏の花火

浴衣の裾

ひまわりのかんざし

遅れ毛絡まる白いうなじ

冷たいかき氷

石段に座って見つめた夜空

明かりを映す川の水面

指先に

そっと握り締めた線香花火

何故か

落ちないように、落ちないようにと

心の中で呟いていた

あなたは黙って見ているだけで

私は

時々吹き寄せる風に

夏の終わりを感じてた


遠い遠い

遠い

夏の記憶




     


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