第24話 海へ


海へ続く小路を並んで歩いて行った

言葉も交わさずに向こうの海だけを目指して歩いて行った

わたしはさりげなく腕に手をまわして

海を見つめる横顔を黙って見ていた

海辺に立ち尽くし遠い地平線を見つめる

あなたの横顔が笑顔だったのを

あの日見た景色よりも何よりも覚えてる

海はあんなに穏やかで青だったのに


思い出が遠くなっても海へと向かう小路は今も変わらず

穏やかで深い青は波打っている

見つめれば浮かぶのはいつも笑顔

心に刻んだあの日の笑顔

あなたが笑顔で良かった

思い浮かぶのが笑顔で良かった

記憶に残したのは笑顔で良かった

きっと、今も、どこかで、

その笑顔で暮らしていると信じて










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