第16話 敵わないこと

 

言うことは決して甘くない

時々痛いところをチクチク突いてくる

だからわたしは素直になれなくて

あなたの言葉に逆らってみたりする

言ってることが正解だとわかっていても

それを認めることが悔しくて

「あのね!」とまた天邪鬼になる


でも、、

あなたは知っているのよね

こんなわたしのこと

だから、いつも

ひとつひとつをかみ砕くように話し始める

幼子に話しかけるように

心が解れていくように

棘が抜かれていくように

最後は包むように、、


ああ、また

あなたには敵わないと思ってしまう




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