埋まる空白と距離


 最初は、会釈だけの交流だった。


 朝練でたまに顔を合わせる、同校の生徒。部活や学年は不明。しかも異性だし、それ以上話すのも躊躇われた。でも……


「お前もクロスワード好きか」


「これはどっちが早く解けるか勝負だね」


「ついでに激ムズも一緒にやろうぜ」


 本屋で出会してから、一気に近くなった。

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