雪と初恋


「雪だー!」


 ひと声叫ぶと、彼女は子犬の如く走り出した。


「転ぶぞ」


「大丈夫!」


 クルリと回った動きに合わせて、白い結晶が舞い上がる。


 綺麗だ、と思った。

 口出すのは恥ずかしいから、言わないけど。


「どしたの?」


 首を傾げて見つめてくる顔に……


「な、なんでもねーよ!」


 気づいてしまった。

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