秋の色


 彼方に連なる山々に陽が当たり、その「紅」を際立たせた。


「山も衣替えだね〜」


「あぁ」


 昔、家族ぐるみで行ったハイキングを思い出す。あの頃は可愛げがあったのに……


「ね、今度行かない?」


「……考えとく」


 相変わらず素っ気ない彼に視線をやると……


「楽しみにしてるね!」


 紅葉が始まっていた。

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