初恋の香り


 秋になると、よくあの日のことを思い出す。


 通学路に立ち並ぶ金木犀の樹の下。ベンチに腰かけ、君はよく本を読んでいた。その姿が綺麗で、それからは僕も真似して別のベンチで読書を始めた。


「何読んでるの?」



 橙色の笑顔が、近くでパッと咲いたあの日から……



 僕の隣には、甘い香りが広がっている。

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