夏休みも後半へ


 爽籟そうらいにも似た快い風が体を通り抜けた。

 8月もまだ中旬なのに、夏の終わりを感じさせる涼しい気候。


「ふぅ……」


 ふと寂しくなって、肺に溜まった空気を大気に溶け込ませた。


「どしたの?」


「いや」


 並んで歩く君が不安げに見つめてきて、僕は頭を振る。

 夏の終わりは、また君との日常の始まりだから。

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