実力と距離


 白墨と黒板が触れ合い、聞き慣れた音が教室に響く。


「ふぁぁ……」


 成績が悪いから夏季補修、か……。


 ぼんやりとそんなことを考えながら、ふと廊下の方を見ると、


「やほー」


 幼馴染が俺だけに聞こえる声で、笑いながら小さく手を振っていた。


 俺とは違う、難関組の自主補修。


 ……ほんと、遠いな。

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