告白の練習


「君のことが好きだ」


 誰もいない部屋に、僕の声だけが響く。


「もう少し、溜めた方がいいか……?」


 イメージをもって……


「君のことが……好きだ」


 ……わからん。演劇なんてしたことがない。しかも……本当に好きな人が相手なんて。


「あの……お兄ちゃん、ご飯……」


 妹が、気まずげに扉の隙間から覗いていた。

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