短冊に書き続けた願い事
雨が降り頻る七夕の放課後に、僕は先輩と向き合っていた。
「七夕の日って、雨が多いよね」
「嬉しさの涙ですね」
「…その後も多くない?」
「名残惜しさと儚さです」
「その前も…」
「我慢の限界です」
暫しの沈黙。雨音がやけに響いていて。
「ふぅ、私の負けね」
晴れて、僕は先輩のために作詞ができる。
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