進学組と就職組


「はぁ〜大人になりたくねぇ〜」


「どしたよ、急に」


 部活帰り、俺たちは何となく駅前で駄弁っていた。


「いやだって、疲れた顔し過ぎだろ」


 そう言うと、彼は白紙の進路調査票を見つめた。


「なぁ。俺たちはせめて心くらいは子供でいようぜ?」


「だな」


 試合でするみたいに、拳をコツンとぶつけた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る