とある夕方

 



「よっと、着いた」

「いつもの公園到着だねぇ」


「だな。大丈夫かフェリシティ? 疲れてないか?」

「全然だよ!」


「なら良かった」

「ふふっ。なんか不思議だねぇ」


「うん?」

「だって今日いっぱい遊んだ場所って、ここからそんなに離れてないんだよ? でも、滅茶苦茶楽しくて……」


「確かにな。俺も一日でこんなに周ったのは初めてだ。けど……かなり楽しかったよ」

「本当? 嬉しいな」


「いやいや。フェリシティが喜んでくれた事が、何よりも嬉しいよ」

「改めまして、いっぱい遊ぶ場所見つけてくれてありがとう。さんちゃん」


「どういたしまして」

「ふふっ」


「すっかり夕方だな」

「うん。あっと言う間だったよ」


「だよな? ……そんじゃそろそろ帰るかな」

「そうだね。あんまり遅いとあれだし……」


「うちは大丈夫だと思うぞ? むしろフェリシティの家の方が……」

「ウチは……大丈夫だよ? 多分!」


「多分かよっ!」

「へへっ」


「じゃぁ行くわ。今日は楽しかったよ」

「私も滅茶苦茶楽しかったよ」


「ふっ。そんじゃまた明日……ここで」

「うん。待ってるね?」


「分かった。じゃあなフェリシティ」

「バイバイ! さんちゃん」





 デートしちゃった! しかも手も握っちゃった! ヤバい……思いだしたら急に恥ずかしくなって来ちゃった!


 よっしゃ! 喜んで貰えたぞ? 完璧じゃねぇか! しかも……手っ……手も繋げた。まずい、冷静に考えたら顔が熱くなって来た。




 どうしよう! どうしょう! こんな調子で明日……


 やべぇな。明日フェリシティを前にして……




 普通でいられるの!?

 普通でいられるのか!?



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

今日も2人はどこかで笑う 北森青乃 @Kitamoriaono

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ