第239話 勘違い野郎の末路
剣を取り出し外へ出て、魚をバッサバッサと切っていきます。
それを見た勘違いの面々が、
「何だよやっぱり簡単そうじゃないか?」
「そう思うならやってごらんなさいよ?間違いなく大怪我するわよ。」
「ふん!俺はできる!俺は強いんだ!」
よせばいいのにその人は囲いから不注意にも、全くの無警戒で出てしまいました。
僕が助けに入る間もなく、
「ぐべばぎょ!!」
あっさり魚の突進を受け、吹き飛んでいきました。
大きな群れの魚以外にも魚はいます。
あの人まだ魚の動きを把握して無かっただろうに。
仕方がないので僕はその人を回収しに向かいます。
その間にも魚はその人に何度もぶつかっています。
倒れる事を許されず、あっちへこっちにと魚がぶつかり、既に装備は無きに等しい状態。武器も既に持っておらず、床に落ちています。
僕は何とか捕まえ、そのまま囲いの中へ戻ります。
「うわ、なによこれ!たった1分ぐらいでこうなっちゃうの?」
いくらレベルが10でも装備が破壊され、生身の身体で魚に突っ込まれたらこうなるはず。なのでもっとレベルが低ければあっという間に棺桶の中に入る事になります。
尤も死体が残れば、の話ですが。
魚を認識した時にはもう対応できないんです。それほど素早い。
動きを読み、ルートを見定めないと外で魚を仕留めるなんて至難の業。
だからこその囲い。
この囲いを用いて僕達はレベリングを行い、実際数レベル上がって強くなりました。これがなければどうにもならなかったでしょう。
土魔法で壁を作って、と言う方法もありますが、これは魔力が枯渇すればそこまで。
最初の頃、備えがない時は階層を突破するのによく使った手です。
だけどこの囲いが出来てからはそれをする必要性が低くなったので、怪我する事も殆ど無くなりました。
そして他の囲いも早速活動開始して成果が出ているようです。
あ、王妃様達は自分達だけで使っていますね。
トゥーニスさんはユスティナさんとヴィーベさんとリニさんと一緒のようです。
どうやら一部の面々以外は真面目にしてくれているようですが、結局囲いを拒絶した一部の人は、全く対応できず床で転がっています。
床で転がっていれば、そしてじっとしていれば魚は殆どぶつかってきません。
ただ、動くとその動きに向かって突進してくる魚がいるので安全とは言い難いのですが。
「ああ、やっぱりああなっちゃうわよね。馬鹿ねえ。」
女性陣の冷たい視線をその背に受けるも、全く身動きできず顔を真っ赤にさせながら悔しがる一部の人。
「あたしらどんどん強くなるからさ、あんたたちはそこで寝ていなさいね!」
「バッカねえ!そして情けないったらありゃしないわ!あんたたちとの付き合い、見直しますから!」
「そ、それはないんじゃぐべらぼ!」
声にも反応するようです。
まあそのうち回収しますか。
それまで生きていればの話ですが・・・・まあ何とかするでしょう。
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