第231話 模擬戦終了

 レイナウトの支援をしないといけないので、2人には悪いですが剣圧のみで吹き飛ばしました。


「うがあ!」

「な!魔法の障壁が紙のように切られるとか、おぬし化け物じゃな!」


 うーん宰相閣下、中々器用です。吹き飛ばされても自分で姿勢を制御、何故か弁がたちます。

 あ、でも後方を確認しないと・・・・


「ぐへ!」

 岩に当たってそこまでの様子。


「レイナウト代わるよ!ロースの支援を!」


「すまない。流石に陛下は僕よりレベルが上のようだ。」

 レイナウトは確かレベル9。それよりとなるとレベル10なんだろうか。

 レベル9と聞いているんだけど。それすらも隠している?いや、確か10って噂だったよね、宰相閣下もそうですけれど。


「おお、デルクか!もう時間がない!いざ尋常に勝負勝負!」


 もしかして待っていた?

 今残った人をセシルとロース、そして合流したレイナウトが相手をしています。

 横目で見ていると王妃様の動きが変です。

 あの動きに精霊すら翻弄されているようです。


 しかし陛下、何で1人で戦うの?

 さっき連携するように指示を出していたよね?


「気にするな!先手必勝!」

 僕は陛下の剣を真正面から受けました。

 レベル19とレベル10の差が・・・・陛下がいかに剣聖と言えども(宰相閣下も陛下も本当は遊び人。遊び人のジョブチェンジで剣聖と賢者になっている)このレベル差はどうしようもなく、僕は受けた剣をそのまま押し返し・・・・


「うぎゃああ!!!」

 陛下はそのまま吹き飛びました。


 そして3人の様子を見ると、いつの間にかトゥーニスさんと宰相閣下が戦列に復帰し、何とか3人と戦っています。


 だけど剣は全てセシルとレイナウトがしっかり受け止め、魔法はロースの精霊が全て無効化しています。

 だけどおかしいな。宰相閣下も恐らく陛下と同じレベル。まだ何か隠している?


 僕は3つのジョブを念のため全て魔法使いに変更しました。


 そして変更した瞬間違和感を覚えたので咄嗟に3人の前へ障壁を展開。

 障壁と言っても僕の魔法使いとして活動した経験は少ないので、土魔法で壁を作っただけです。全てその壁で弾いていきます。

 あ、流石は歴戦の猛者と言うべきか、僕が壁を作る瞬間皆さん危険を察知したのか距離を取っています。

 さて、このままだともう時間切れになるけれど、最後に何かしようかな。

 王妃様の動きが物凄く気になります。

 セシルですら翻弄されています。


 僕はこの壁を・・・・倒しました。

「え?ちょ!一寸それは無いわよ!」

 王妃様が驚いています。


 きっと皆さん高レベルだと思うので、この壁ぐらいは十分耐えてくれると思うのですが。


「ああ!一体君のレベルはいくつなんだ!我の魔法で打ち消せぬとは!!」

 宰相閣下が一生懸命僕の壁を消そうと試みていますが無理なようです。


「守ってあげて?」

【仕方ないわね!】


 一応精霊に守ってもらいます。

 残り10秒、僕達4人以外のいる方向に壁が倒れ、全てが終わりました。


 結局陛下は善戦しましたが、そして陛下の元パーティー?も頑張ったのですが単純にレベルの差で負けた様子。

 あれ同じレベルだったら絶対僕負けてるよね。

 これはある意味僕達ももっと修業しないといけないかな。


「陛下、まだしますか?」

「いや、決められた時間内に誰一人として一撃すら与えられなかったのだ。完敗じゃ。」


 負けを負けと認められる陛下は立派です。

 ここでごねるようならこの国の未来は暗いです。


 あ、元々渡そうとしていた武具、どうしよう?

 本当なら渡したのに、僕達が負けたら渡すって決めちゃったし。

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