第193話 カバンを託しダンジョンへ

 マウト女史に精霊の事も説明を行い、取り敢えず貸した精霊鞄に入っていた中身の査定額のうち半額を受け取る、という事で運営を行ってもらう事にしました。


「一応伝えておきますが、まあないと思うんですけど、カバンを使っていない事にしてごまかさないで下さいね。そもそも精霊がずっと鞄に常駐しているので、不正はできません。ただ、買取直前までカバンに入れていたのを出し入れするのは自由ですが、買取の時にダンジョン外で荷物を移すとかやめて下さいね。それも監視しています。

 あくまでダンジョンの場合はダンジョンから出た時点で鞄に入っているアイテムが対象になります。」


「言いたい事は分かった。つまり査定を抑えようとするのはいいが、この場合ダンジョンから出て以降、例えば外で待機している人に渡した場合は不正なんだな。」


「屁理屈も駄目ですよ?僕が言っていないからと屁理屈で査定を低く抑えようとしたら、その時点でカバンの貸し出しは取りやめますから、よくよく対応を誤らないようお願いします。あと、精霊に確認するのはいいですよ。精霊は不正を見つければ僕達に報告してくれますが、そちらで対応してもらえればそれはそれで問題ありません。それと、今は時間が足りないので1つしか渡していませんが、正しく活用して下されば、もっと増やす事も考えます。」


「頼む!是非に!!問題|があればこちらで始末・・しよう!!」


 始末って・・・・まあいいか。

 あ、一応確認しておこうかな。


【フォスさんモーカーさん、精霊鞄ってもしかして物の出し入れって、精霊から出し入れ不可能にできたりできますか?】


【勿論できる。闇の精霊にとっては簡単な事だ。】

【それは良かった。もし不正を見つけ、または悪意を持って利用しているならばできればカバンを使用不能にしてほしいんです。】


【わかった。もし主の意に添わぬ利用をしていれば、まずは警告を発しよう。聞く耳を持たぬ場合、そのような措置を行おう。】

【ありがとう。こんな事態にならない事を願うけれどね。】


 有効利用してくれる事を願って、カバンを託しギルドを後にします。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 1週間ぶりのダンジョンです。

 そうは言っても馬鹿正直に1層からではなく、アイテムを使い自分達にあてがわれた場所へ向かいます。


 一応周囲を確認しますが、特に変化はない様子。

 僕はデルタさんに連絡を取ります。


【1週間が経ちましたのでダンジョンへやってきました。】

【お久しぶりですデルク様、皆さま。おかげさまでダンジョンの修復は完了いたしました。】

 どうやら修復が終わったようです。

 そして、ダンジョンの大穴も塞ぎ、穴はないそうです。大穴のないダンジョンってどんな感じになるのかな。

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