トゥーニス

第181話 トゥーニスさんとの再会

 セシルと宿の奥さんが話をしています。

「デルクって女性の裸とか見た事あるのかしら?それに経験は?」


「・・・・少なくともダンジョンに籠ってからはそう言った機会はなかった。それ以前は、きっとまだ子供だったからないと思う。」


「・・・・そのうち、焦らず、それにセシルちゃんはとても美人さんだし、スタイルもいいからデルクはセシルちゃんの虜になる事間違いなしだから、心配はしなくていいわよ?それに・・・・デルクってきっと結婚するまで手を出さないわね。」


「そ、そうなのか?私はもうすぐ15歳になる。15歳になれば結婚できる!」

「まあ、それはおめでとう!婚約は14歳でもできるわよ?」


「そ、そうなのか?」

「ええ。デルクにセシルと結婚するつもりがあるか確認する?」

「・・・・今はいい。私はデルクから告白してもらいたいと思っている。」


「うーん、それは難しいわね?あの子色々と聡いけれど、それは自分以外に関してなのね。だけど自分に関わる事は駄目駄目なのよ。何でなのかしらね?こんな素敵な女性が、はたから見ても明らかに好意をもって接しているのがわかるのに、デルクったら全く気が付いていないんだもの。鈍感属性極めり、ね。」


「3年それは気になっていた。きっと妹扱い。」


「はあ・・・・セシルちゃんも面倒な相手を好きになっちゃったわね。」

「デルクは素敵。鈍感だけど。」

「ふふ。惚気ね。あ、気が付いたわよ。」


 ・・・・何で僕はこんな所で寝ているのだろう?そして結構前から気が付いていたんです。起きそびれちゃった。


 僕はこの時気付いていませんでしたが、どうやら半日近く気を失っていたようで、既に日が変わり、翌日の朝になっていたようです。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・



 朝食を宿で食べて、僕とセシルは出かけます。

 セシルの住んでいる修道院です。

 何故か修道院にトゥーニスさんがやってくるようで、僕はセシルと共に修道院へ向かっています。


 しかし時間はどうなんだろう?まあ早過ぎたら待たせてもらえばいいかな。


 で、何事もなく修道院へやってきました。


「あらセシル、どうしたの?」

 セシルが門をたたくと、修道院に住んでいる・・・・女性かな?が姿を現しました。

「こっちはデルク。私を救ってくれた恩人。今日はとある人がここに来ると聞いて会いに来た。」


「あ、トゥーニス様の事ね?ちょっと前にこちらへ到着なさったのだけれど・・・・今はその、教母様と・・・・ね?」

「教母様と話をされているのか?」


「話?う、うんそうね、話かもしれないわ?いよいよ教母様も・・・・あ、そちらはデルク様ですね、セシルより色々聞いていますわ。暫く中でお待ち下さい。暫くすれば2人とも落ち着きますから・・・・」


 えっとトゥーニスさんはここの代表でいいのかな?教母様とお知り合いだったの?

 案内される部屋を通っている途中・・・・何か声が聞こえてきます。


『ユスティネ!君は最高だ!結婚してくれえ!!!!』

『ああトゥーニス様あ・・・・こんなおばさんの何処が?あ、あん♪』

『全てよし!』

『こんな日がこようとは・・・・あ、そんなに激しくしては・・・・』


 ・・・・

 ・・・・

 ・・・・



 案内の女性、僕、セシル。

 3人が固まってしまいました。


 トゥーニスさんの声だよね?それに女性は・・・・教母様?

「は!いけないわ!こちらです・・・・」


 案内された部屋で結構待ったのですが、一寸眠くなってうつらうつらしていた時、トゥーニスさんが部屋へ入ってきました。

「デルク!お前なら生き残ると思っていたぞ!」


「お久しぶりです、トゥーニスさん、あ、もう伯爵様だから様、の方が良いですか?いえ宜しいでしょうか?」

「何を言っているんだ!そんな堅苦しいのはいい。然るべき場所以外は今まで通りでいい。」


「はい、では今まで通りでお願いします。それと何とかダンジョンから脱出できました・・・・3年経ちましたが、恐ろしいほどの変化で驚いています。」


 こうして僕とトゥーニスさんの再会は果たされました。

 そしてその、後ろに控えている女性は?

 僕と比べると少し年齢が高めのようですが・・・・トゥーニスさんよりは年下?20代後半ぐらいでしょうか?とても清楚で・・・・セシルとはまた違った美人さんです。


「セシル、お帰りなさい。」

「ただいま教母様。その、扉の外を通ったら声が丸聞こえでした・・・・」


「え?えーと・・・・聞こえてしまっていましたか?」

「ん。そちらの男性と一緒に・・・・」


「そ、それ以上はいいわ・・・・あ、こちらの方がデルク様ですね。私は修道院の責任者で、修道院では教母を名乗っております。」


 この女性が教母様で間違いないようです。

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