第126話 デルタが修復機能を有していない理由
何故管理人なら管理しているダンジョンのドロップする素材を手に入れられないのか?
デルクはそんな疑問を思いながら作業をしていく。
そして心を読むのか、デルタが答える。
【デルク様に修復をお願いしてる状況ですのに、デルク様の疑問にお答えしないのでは申し訳ございません。管理システムより一部許可を得ましたので、お答え致します。】
何の許可を得たのだろう?
そんな疑問を思うデルクだが、流石にそれは教えてくれなさそう。
で、デルタの語る所によると・・・・
【私が現在ダンジョンの管理を任されておりますが、あくまで管理でございます。ダンジョン内の素材を獲得・採掘・採取等、ダンジョン内の素材を直接獲得する事は禁則事項に抵触いたしますので、できません。】
禁則事項?
【はい、ダンジョンの管理を行使するにあたり、行ってはいけない規則でございます。】
目前にいる彼女とこの設備は、きっと僕達が住む世界より高度な文明に関わっているのだろうなあと漠然と感じるデルク。
しかし今は修復するのに必要なアイテムの作成に集中しないと。
・・・・
・・・
・・
・
デルタに色々伝えつつ、無事デルタの求めるアイテムが完成する。
結局1メートル程の長さがあるケーブルを20本ほど作成。
それらをデルタは何やら金具を取り出しはめ込んでいく。
なるほど金具はあったんだね。足りなかったのはこのオリハルコンとミスリルを合成したケーブル。
だからケーブルの両端は平らにするような指示があったわけだ。
そして繋ぎ合わせ、全てのケーブルが繋がりデルタは何やら操作を開始する。
すると・・・・
ゴオオオオオオオオオンン!!!!!!!!!!!!
??
何やら激しく揺れ始める。
【心配御座いません。損傷したダンジョンの一部を修復しているだけです。大穴の修復は、デルク様一行がダンジョン外へ到着後に行いますのでご安心を。】
そう答えつつ、操作を続けるデルタ。
デルクはじっと待っている。
暫くすると揺れも収まり、
【デルク様、ダンジョンの修復ありがとうございます。この後デルク様がダンジョンを退去後に私も調整に入ります。もし次に会う事がございましたら、その時は直接会話ができると思われます。さて、報酬ですがいかがいたしましょうか?】
報酬と言っても・・・・
先ずは無事にダンジョンを脱出したい。その後が問題なんだけど。
【デルク様御一行様に関して、今現在の実力でございましたら、ボス部屋と呼んでおられる場所で戦う事になりますドラゴンは問題ないでしょう。問題は地上に戻られてからと推察いたします。】
えっとどういう事?
【人と言うのはそう簡単には変わる事が出来ません。今、私にできるのはデルク様を含めお連れ様の装備を更新、そしてこのダンジョン全ての階層へ自由な出入りの許可でしょうか。そしてもう2つほど御座います。このダンジョンに関してでございます。ここの階層エリアに関し、一部にデルク様とデルク様が許可をした人物が利用できる拠点をご用意いたします。そしてもう一つがこの拠点を利用する事により、あらかじめ設定した場所へ自由に行き来できる機能をご用意いたします。この設定ですがもう一つ、何かあればその場で念じていただければこれから用意いたします拠点に瞬時に移動できるようにいたします。】
デルクは訳が分からない。
ダンジョンなら魔法陣を使用すれば、ダンジョンの外に出られるが、それが任意の場所に行き来できる、という事?
これはとんでもない事なのでは?
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