第65話 食の充実
あれからどのぐらい寝たのか分かりませんが魔力もそれなりに回復し、僕もセシルも起きます。
そしてその後に思う事は、
「お花を摘みに行きたい。」
セシルはその、生理現象です。
階段の先へ向かい、安全を確認。
地面に穴を設け壁を出現させ、セシルを囲います。
暫くして用を終えたセシルがやってきます。
「ありがと。」
5層毎の家に向かえばいいのですが、暫くは此処から動けません。
仕方がないので暫くは此処を中心に活動をする事にします。
ですが塩が手に入った事により、食が充実します。
早速肉を焼いてみます。
まあ塩を入れすぎると喉が渇くので、適量を。
お肉と共に野菜も炒めます。そしてお魚も。
収納かばんにはたっぷり入っていますから、万が一ここで数ヶ月身動きできなくても、塩を確保できたので問題ありません。
そして今回は魚も焼きます。
「いい匂い。」
今回は僕が料理を担当するので、セシルはテーブルを整えたり椅子を用意したりと準備をしてくれます。
勿論収納かばんの中から取り出したアイテムです。
セシルの料理はおいしいのですが、今回は僕の腕を見せる時です。
暫くすると料理が出来上がります。
「「いただきます。」」
黙々と食べる僕とセシル。
しばらく沈黙のまま食べます。
あれ?この塩美味しい。魚にすごくあいます。
そして2人とも食べ終わります。
「ご馳走様でした。」
「お粗末さまでした。」
「デルク、とても美味しかった。ありがと。」
セシルは満足のようです。
「塩が手に入ったからね、これからは気にせずにお肉や、ちょっと前に沢山手に入れた魚を食べても問題ないし、野菜もある。」
「うん。それに水もある。」
「まあだからと言っていつまでもダンジョンって訳にはいかない。でもこのまま脱出したとして、果たして生き残る事が出来るかどうか。だからもう暫く魚のエリアに留まって、レベル上げをしたいんだ。幸いというかまあ反則的だけど、あの囲いを用いれば魚が勝手に突っ込んでくるから経験値が手に入り放題。」
「うん。あれはおいしいと思った。効率いい。」
そうなんだ。このままたぶん脱出しようと思えば、囲いの中に入って魔法で上昇を続ければ可能だと思うけれど、その後ダンジョンを出てもまた追っ手に追われるのではないかと。
もしそうなら追っ手と戦わないといけません。
その時今のレベルで太刀打ちできるのでしょうか。1人なら何とか
セシルを守りながら戦う。
今の僕には厳しすぎるでしょう。
もしくはセシルに守ってもらわなくてはならない。
どっちにしろ2人で何とかしないといけない。恐らく1人では難しいでしょう。
セシルがどう思うにしろ、もしダンジョンから脱出したとして、お互い命を狙われた身。
そうであればお互い自分自身で身を守れ、襲撃者を撃退できるレベルまで上げておくのが一番。
もしレベルが8まで上がれば、ダンジョンを出て襲われても返り討ちにできるでしょう。
普通はレベル6までが限界。
一部の上位の冒険者はレベル8ぐらいまで上げる事が出来ると思いますが、そんな冒険者は全体の5%ほど。
そしてその限界を超えてレベル9には1%ぐらい?
レベル9はS級冒険者。
滅多に見かけませんし、未だかつて見た事がないです。そしてレベル10。
真意のほどは定かではありませんが、国王陛下と宰相閣下はレベル10だとか。
あくまでも噂ですが。
レベル10は神にも等しいと言われるほどで、それゆえ殆どそこまで到達できないとか。別にそこまで目指す必要はありませんが、せめてレベル8にはなっておきたいです。
レベル9のS級冒険者が遊び人狩りを行ったり、セシルの時みないな蛮行を行うとは思えないので、9は必要ありません。
そして今現在は恐らく93層。
折角なので少し採掘をして少しでも良い素材を手に入れ、装備を充実させていきたい所です。
いくらレベルが上がっても、装備がそれに見合わなければやはり危険です。
レベル8の戦士が鉄の剣を、そして何の付与もない革の鎧を装備していた場合、レベル7の冒険者が6人、装備は皆ミスリルソードや色々の効果のある付与を施された防具に身を固めた相手と対峙した場合、装備と数の暴力で後れを取るでしょう。
レベル上げもそうですが、何とか生産系のジョブもレベルを上げて、いい装備にしていきたいです。
で、食事も終わり採掘を行う事にしたのですが、問題が。
今目の前にある岩を鑑定で調べると、
【ヒヒイロカネ】
と出ていたんです。
ええ?ヒヒイロカネって伝説の素材では?
もし手に入れる事が出来たとして、加工できるのでしょうか?
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