第57話 何とか辿り着きます

 ロープを伝って大穴から降りる、という方法を考えましたが万が一何かあると下まで落ちてしまうので、極力避けたいなあというのが本音。

 で、今回は仕方なく強行突破。


 前方には壁を作らず、左右に壁を作って進んでいきます。

 ここに出る魔獣は僕とセシルよりはるかに大きく、かつ幅もあるので、僕達2人が通る事さえできれば問題ないので、こうしています。


      □□□□□□□□□ ●魔●

 登り階段    僕  セシル   ● ● 下り階段

      □□□□□□□□□ ●獣●



 こんな感じです。縦読みでは魔獣が逆に表示されるようですが、このまま行きます。


 □ が土魔法、●は魔獣一体当たりの大きさです。

 ですのでこのスペースでも問題ないのです。

 ただ、魔獣が前方に立ちふさがれば、僕の土魔法で壁がうまく作成できないので、排除して進んでいます。

「これはいい!然程危険もなく魔獣を仕留められる!」

 セシルは前方にいる魔獣をどんどん仕留めてくれます。

 僕は土魔法の事で精一杯で、魔獣を仕留める事は厳しいので実際かなり助かっています。


「無理はしないで下さい。僕の魔法はそう簡単に壊れませんから。」


「わかった。それと興奮してしまった。すまない。」


 どうやらセシルは魔獣を簡単に仕留める事が出来て、興奮していたようです。

 時に魔獣が壁に体当たりをしてきますが、万が一壁が壊れてしまった場合、前後の壁にいる限り何とかなります。

 そしてまだ僕の魔力に余裕があったので、体当たりは気にせず進んでいきます。


 セシルが魔獣を仕留め、ドロップアイテムを回収、僕が壁を作る。

 これを繰り返し、どれだけ時間が経ったか分かりませんが、何とか下り階段に到着します。

 何せ前方の魔獣をセシルが仕留めてくれるので、セシルが仕留めたらその左右にもっと壁を設けてしまえば、安全にドロップアイテムを回収できます。


「セシル、階段付近はどう?」


 そのごめん、階段に到着した頃には魔力が流石に枯渇してしまって、限界なのです。


「大丈夫。降りてから休むか?」

「うん、そうするよ。今までの繰り返しだったら、降りた先に敵はいないはずだから。」


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 僕は暫く魔力回復に努めます。

 流石のセシルも魔獣を相手に疲労を感じていたのか、同じく休んでいます。


 どのぐらい時間が経ったのかは分かりませんが、僕の魔力はある程度回復したので早速調べる事にします。


 貴重な素材も欲しい所ですが、最優先は塩です。


 もしここに無ければ、場合によっては魚の居るエリアに向かわないといけない可能性が大きいからです。

 魚がいるから塩もある?という単なる期待なのですけど。


 そして期待は・・・・外れました。期待外れです。

 本来なら大喜びなのですが、今は必要ないものがあるようです。


 この階層は、岩のようです。


 ただ、今までのパターンから何かはあると思うのですけど、何があるのでしょうか?


 僕は今、ジョブを魔術師・採取師・商人にしています。

 商人の鑑定スキルで周囲を鑑定し、魔術師の魔法で魔法で岩を切り、最後は採取師の採取スキルで採取する、という流れ。


 塩、あるかなあ?

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