第51話 下へ降りてみる
「セシルって修道院にいたんだよね??」
でも選定後は教会の世話になっていた?
「基本的に修道院で暮らしている。」
「じゃあ教会へは?」
「神聖騎士になってから。冒険者として行動する事になってから。選定後は司祭様の元で学び、装備も司祭様が管理をしてくれていた。」
「あ、そうか。わかった。気になっていたんだ。セシルの装備は司祭様じゃないと外せないんだね。」
「あ・・・・そうだったのか!確かに自分では外せないから司祭様にやってもらっていた。」
「まあ、そのうち調べて僕でも外せるように頑張るよ・・・・これからよろしくね!」
僕はセシルの手を取り、握手をする。
「あ・・・・」
戸惑っているようだけど、これからどれぐらい時間かかるのかわからないけど、脱出するまでは一緒に行動するんだ。
これぐらいは慣れてもらわないと。
さて、どうすべきかなんだけど、その前にもしはぐれたらどうするか、だよね。
「セシル、僕とセシルは極力行動を共にしないといけないけれど、もし魔物との戦闘中にはぐれたりしたら、お互い探さないで、まずは此処に戻ろう。いいね?」
「ん・・・・わかった。だが、戻らなければ?」
「その時は・・・・身の危険がない場所ならいいけれど、魔物や魔獣のいるエリアなら、無理に探してはいけない。その時はもう死んだものと思って、今後は1人で脱出する術を見つけないといけない。」
「助けてはいけないのか?」
「うん、もし僕が戻らなければ、探す必要はないよ。セシルとはぐれてここに戻れなければ、もう探しても無駄だからね。」
セシルにはこう言ったものの、もし立場が逆なら絶対にセシルが見つかるまで探すだろう。
そもそもこんな事態とならないよう、事前にしっかり対策を取っておく必要がある。
さて、何時までもここに居ては近い将来食糧が尽きるし、脱出できない。
それに万が一追手がここまでやってきた場合はどうすれば?
時間はかかるけれど、何とか魔物と戦ってレベルを上げないといけない。
そして自力でもっと下へ行けるまでにならないと。だけど2人でどこまで行けるのだろうか?
上手く魔法陣を使えるようになればいいんだけど。
因みに魔法陣の行く手を遮っている岩は、僕の収納カバンでは収納できませんでした。
大きすぎるのか、重すぎなのでしょう。僕の所有している収納カバンの重量制限は100キロまでですし、どう見てもかなりの重量物と思われるので仕方がないです。
「セシル、今からもう少し下へ降りようと思うけれど、大丈夫かい?」
「問題ない。この下は何だろう。」
「わからないけど、たぶん果物とか野菜じゃないかな?そうじゃなければ色々厄介なんだ。」
「そうか。食料は大事だな。ここにはきっと長く留まる必要があるだろうし。迷惑をかけるが、よろしく頼む。」
今度はセシルから手を差し出してくれたのでしっかりと握り、そのまま手を繋いだ状態で下へ向かいます。
「そうそう、一応パーティー申請は終わっているから、今日から僕達はパーティーメンバーさ。まずは下がどんな所か確認しよう。」
【わかった・・・・デルクと私が仲間・・・・嬉しい・・・・】
「何か言った?」
「いやいい。気にしなくていい。」
顔が見えないからどんな表情かわからないけれど。
まだ警戒してるのかな?
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