第26話 見知った顔
僕がトゥーニスさんの所へ戻ると、見知った顔を見かけました。
僕と同じ年齢の人々です。
僕に気が付いたのか、その都度話しかけてきます。
「久しぶりだね!ここにいるという事は君も遊び人に選ばれたのかい?」
「ええ、僕も遊び人に選ばれて。あ、もしかして貴方も?」
「ああそうなんだ。まさか自分が?とは思ったんだがね、君は何度か僕達に助言をしてくれていただろう?過去、遊び人に選ばれた面々の末路と、万が一選ばれてしまった場合の心得や対処法等を。」
「ええ、まあそんな心配はしなくていいとは思ったんだけど、万が一その当事者になってしまった場合、生き延びる事が難しいと判断、遊び人以外は心配なさそうなので、敢えて助言というか、頭の片隅にでも記憶してくれたらと思ってね。」
「ああ、俺も君の助言を鼻で笑っていたんだが、選定の前日にさ、ひょっとしたらと思ったので、多少調べたんだ。その結果何とか刺客から逃れる事ができた。」
「あ・・・・そのありがとう・・・・私は危うく司祭様・・・・もう様じゃないわね・・・・犯されそうになったの。」
「ええ?だって・・・・こんな事を言っては申し訳ないけれど・・・・何処からどう見てもまだ子供だよね?」
「それについては否定しないわ。それは私も知っているから。だからこそ最初はまさかと思ったの。だけど・・・・私その、自分で言ってなんだけど、顔はほら、整っているでしょ?だからね・・・・そう言った目で見てくる男は多かったのよ?それでね、あなたの助言を聞いて、念の為当日は魔道具、つまりは貞操帯だけど、それを装着していたのよ。で、遊び人に選ばれちゃって、困った私はつい司祭様に相談して。そうしたら落ち着いてと言われ、飲み物を出されて。混乱していた私はつい飲んでしまったのよ。そうしたら・・・・気が付けばほとんど裸同然の姿で司祭様が私に襲い掛かってきてたわ。【くそ!何で取れないんだ!こんなでも女なんだから・・・・ヤれない事はないだろ!顔はいいんだから!】とか言われて・・・・死ぬかと思ったわ。だけど、
またある時は別の知り合いが会いに来てくれて、、
「君の言う事を聞いておいてよかったよ。あの日直ぐに姿を消したんだよ僕は。そうして隠れていたらさ、追手が必死に俺を探していてさ。俺は隠密のスキルを元々持っていたから、何とか逃げ切れた。」
どうやら遊び人になったのは、僕が学んでいた所へ出入りしていた面々でも、恐らく僕より賢いと思う人ばかり。
彼・彼女達は僕の遊び人に関する助言を、
”まさか自分がなる訳無いよと言いながらも、まあ万が一の時があったら困るから、頭の片隅に置いておくよ”
とか言いながらもちゃんと聞いてくれた面々ばかり。
うーん・・・・遊び人って何なんだろう?
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