真実の村
バブみ道日丿宮組
お題:真実の村 制限時間:15分
真実の村
「その村にいったら、真実があらわになるんだって」
「真実? 嘘がつけないとかか?」
「ううん、その人の特性っていうのかな。個性っていうのかな。すべてがわかるんだって凄いよね!? うん、楽しそう」
「ひでぇ占いを受けるようなものか」
「違うよ!? そこにいって変わった芸能人もいるくらいだから、魔法に近いんだよ!」
「魔法かぁ。使えたら便利だと思うけど、ここは現実だからな」
「もう! 絶対信じてないでしょ!」
「だってなぁ……真実があるとしても、俺には大したものがないよ」
「いつ死ぬとか、どんな病気にかかるとか、成功するにはどうすればいいのかとか、気になるよね?」
「気になる、ならないってなら、当然なるがそれがわからないから人生っていうんだろう。まぁアドバイス程度に聞くことはあるかもしれないが」
「でしょう? じゃぁ、今度の休みに行くから用意しておいてね」
「用意って? 俺には車ぐらいしか用意できないが」
「うん、それでいいよ。わたしは運転できないからね。あっちなみに地図上にはでないから、住所をそのままナビに打ち込んでね」
「うさんくささがましたな」
「行ったら、絶対驚くから!」
「何に驚くかはわからないが楽しみにしておくよ。それでレポートは終わりそうなのか?」
「ううん、全然進んでない。手伝ってー」
「こないだの論文だってほとんど俺が書いたようなものじゃないか。自分でやらないとそのうち教授に怒られるぞ」
「そのときはそのときだよ。恋人がこっちに強いってアピールして推薦もらうから」
「俺はその分野には入らないぞ。情報科で低一杯だ。異文化なんてテレビでみればいい」
「そういうのは差別発言になるから気をつけてね。家の中なら誰も聞いてないとは思うけれど」
「誰かが聞いてたら、それはホラーだな。もしかすると、その言葉もその村なら聞かれてるかもしれないな」
「もぅ適当なこといわないで」
「適当な感じの話だからなぁ。真面目に聞くのもあれなきがする」
「でも、ついてきてくれるから、好き」
「はいはい、安い愛情表現ありがとう」
「楽しみだなぁ。どんなことがわかるんだろう」
「後で見てやるから、ひとまず論文に思考を優先させろ」
「わかったー」
真実の村 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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