3. 世界で最もルーズなルーンフォーク
首都東西線に乗りグロッソ港駅へ辿り着いた二人。
海を愛し漁業で栄えるグロッソの街を歩きながらマグナル研究所を目指す。
GM:ではここで、キングスフォールの住人であるジルベルトが、マグナル博士の噂を思い出せるか見識判定を行ってみましょうか。達成値は12です
ジルベルト:見識判定は、2d+セージ技能+知力ボーナスだな。そりゃ!
> 見識判定: 2d+4+3→ 15(成功)
GM:成功したのでジルベルトは『そういえばマグナル博士って聞いたことがあるな』と思ってください
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【シェイン・マグナル博士】
ルーンフォーク
24歳 女性
誰もが認める魔動機研究の天才。5年前に大鉄道学舎を主席で卒業し、単身マグナル研究所を立ち上げる。自らのフィールドワークで発見した魔動機や冒険者から買い取った魔動機を解析・整備し、そこで得た知見を論文で発表しつつ整備された魔動機を金持ちに売っている。
ルーンフォークとは思えない破天荒かつ雑な性格をしており「世界で最もルーズなルーンフォーク」と呼ばれている。過去に何度か魔動機関連の事故を起こしているので現在は執行猶予中である。
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ジルベルト:「そういえば年に数回名前を聞くな。良くも悪くも有名な人だ」
タイズ:「世に言う天才でございますね」
ジルベルト:「その一人に数えて問題ないだろう。そして博士も女性だったか」
タイズ:「女性とはいえそこまでルーズな方なのでしたら、ルーニャ様に嫌われるのも無理はないですね」
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博士の情報を事前共有しているとマグナル研究所に到着した。そこにあったのは増改築を繰り返した歪な建物。所々焦げている壁に『マグナル研究所』と書かれた無骨な看板が打ち付けられている。
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ジルベルト:「なんだか魔女の家のような建物だな」
タイズ:「怪しい雰囲気がぷんぷんでございます」
タイズ:扉を叩きます
GM:すると中から可愛らしい女性の声で「はーい」と返事が聞こえ、小柄で可憐なメイド服姿の女性ルーンフォークが出てきます。彼女がミカリです
ミカリ(GM):「どちら様でしょうか?」
ジルベルト:「私は冒険者ギルドから遣わされてきたジルベルト・モローという者だ。マグナル博士は……あなたではないな?」
ミカリ(GM):「私は助手のミカリです。博士にご用ですね。少々お待ちください」
GM:ミカリはペコリと頭を下げてまた建物の中に入っていきます
ジルベルト:メイドルーンフォークキャラ被りをしているタイズをチラッと見ます
ジルベルト:「あれがミカリ殿か。手荒に連れ去っていいのであれば楽な任務だったろうな」
タイズ:「しかしミカリ様のあの可愛さ。ルーニャ卿が欲しがるのも理解できる気がします」
ジルベルト:可愛いメイドルーンフォークがルーニャ卿のタイプなのであれば非常にまずいぞ!と焦ります
GM:(笑)
GM:やがて戻ってきたミカリが「博士がお会いするそうなのでどうぞお上がりください」と言ってお二人を研究所に入れます
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研究所の地上階部分は来客用と居住スペースになっているようで、拍子抜けするほどきれいに片付いている。ミカリがしっかり掃除をしているのだ。
しかし研究スペースである地下への階段を降りていくとだんだん埃っぽく淀んだ空気へと変わっていく。
そして辿り着いたのは足の踏み場もないほどのゴミの山。その奥でマグナル博士が「やあ!よくきたね!」と両手を広げた。
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GM:マグナル博士はヨレヨレの黄ばんだ白衣を着ています。何日も洗っていないベタついた髪を無造作に束ね、ヘラヘラと笑いながら二人を出迎えます
ジルベルト:「な、なんだこの部屋は!汚れというより穢れではないか?」
ジルベルト:アンデッドを警戒して〈バニッシュ〉をかけます。MPを3点消費します
GM:(笑)。ではゴミの中でアンデッドになりかけていたGの死体が浄化されます
タイズ:「この部屋にいると亡くなったご主人様を思い出します」と遠い目
マグナル(GM):「で?キミたちがあの気難しいルーニャ姫から遣わされた催促部隊ってわけ?」
ジルベルト:「まあ話が見えているのであれば隠すこともないな」
ジルベルト:「すでに納期から1週間も経っている。ルーニャ卿はお怒りだ」
マグナル(GM):「もう1週間経っちゃったの?うーん、ここ1ヶ月ほど太陽を見てないから時間感覚がなあ……」
ジルベルト:「まあ約束したのならそれは守るべきだ。というか太陽は浴びろ!」
タイズ:ティダン要素が詰まったセリフだ
マグナル(GM):「まあでも、この子たちの最終調整はもうすぐ終わるから。明日にでも引き渡せるよ」
GM:と言ってマグナルが指をさした先には2体の魔動機があります
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【2体の魔動機 バスラとスクルータ】
魔動機文明時代の遺跡から回収された2体の魔動機。製造されてから約500年以上が経過している。
どうやら500年前に遺跡ごと破棄されてしまったようで、遺跡内には他に10体ほどの魔動機が同じように放棄されていた。しかし起動していたのはこの2体だけで、他の魔動機は何百年も前に機能停止してしまったようだ。
2体の魔動機にはそれぞれ魔動機文明語で「バスラ」「スクルータ」と書かれている。
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マグナル(GM):「わかる?この子たちは人のために製造されて、しかしその機会を与えられないまま、二人で暗闇の中を500年も待っていたワケ!」
マグナル(GM):「500年だよ500年!それなのに、たった一週間も待てないだなんて、姫は狭量だねえ」
GM:マグナル博士はルーニャ卿を「姫」と呼びます
ジルベルト:約束を破っておいてこの言い草よ
タイズ:「申し訳ございませんが、それとこれとは話が別なのでございます」
マグナル(GM):「いやあ、ボクも少しは悪いと思ってるよ?」
GM:あ、「ボク」って言っちゃった!マグナル博士はボクっ子になりました
タイズ:いいと思う
ジルベルト:どんどんやれ
マグナル(GM):「ボクも悪いと思ってはいるんだけど、この子たちに面白い機能が見つかっちゃってさ」
マグナル(GM):「その機能を解析していたら時間が経っちゃったってワケ」
マグナル博士は心底嬉しそうな顔でバスラとスクルータを見つめる。その目に宿るのは高純度の好奇心。ジルベルトは「純粋な感情は全て狂気である」いう冒険譚の一節を思い出した。
ジルベルト:「面白い機能、か。お掃除機能でないことは確かだな」
タイズ:「よろしければ、その機能について教えていただけませんか?」
マグナル(GM):「それは社外秘さ。ちなみに、お掃除機能ならボクにも備わってるよ。これでもボクはルーンフォークだぜ?」
マグナル(GM):ケラケラと笑います
マグナル(GM):「そういうわけだから、明日の朝またここに来てよ。今夜頑張ってこの子たちを仕上げる。朝には渡せる状態になっていると思うよ」
ジルベルト:「ならば、明日また来るとしよう」
タイズ:(こくりと頷く)
マグナル(GM):「ミカリ、二人を送って差し上げて。あとミカリも今日はあがっていいからね」
ミカリ(GM):「かしこまりました、博士」
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ミカリに見送られ研究室を出るともう日は沈んでいた。
その日の漁を終えた人々が街へ繰り出したせいだろうか、グロッソは先ほどより何倍も賑やかになっている。微かに潮の香りのする大通りをジルベルトとタイズは並んで歩く。
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ジルベルト:「夜か。すっかりシーン様の時間になってしまったな」
タイズ:「わたくしは今夜の宿を探さなければなりません」
ジルベルト:「なんだ、宿を決めていなかったのか?ならばウチに泊まっていけば良い」
タイズ:「よろしいのでございますか?」
ジルベルト:「問題ない。安宿以上、普通の宿未満って感じではあるが」
GM:そんな会話をしていると、お二人は後ろから呼び止められます
ジルベルト:む?
ミカリ(GM):「あ、あの!よろしければ夕食をご一緒しませんか?」
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