旅行費

バブみ道日丿宮組

お題:穢されたお金 制限時間:15分


旅行費

「こんな大金どうやって稼いできたんだ?」

 机いっぱいに広がる札束は、どれも万冊。少なくとも100枚は転がってた。

「いろいろあるんだよ、いろいろ」

「それは噂によくあるパパ活とか?」

 邪な行為を行ってお金を得る行為と世間の目には写ってる。

「違うよ。身体はキレイなままで痛いからそんなことはしてないよ」

「じゃぁ……」

 なんなのと首を傾ける。

「ショタ活だよ」

「はぁ……? ショタ……少年ってこと?」

 意味がわからなかった。

 ショタという意味はわかるが、少年が大金を持ってるということを信じられなかった。

「ふふん、ただの子供じゃないんだな。なんとーー」

 ばんと机を叩く。

「財閥の子供なのだ! そこらへんにいる少年、少女よりもリッチな生活をしてる若者だ!」

「そんな子供とよく接点持てるね。普通近づくこともできないでしょ」

「いやさ、妹がちょうどクラスメイトでさ。紹介してもらった」

 話を聞いてみると。

 妹→友達→パーティというくらいに進出して、名前を売ったのだとかなんとか。

「それでもお金もらうのは違うよね?」

 卑しさしかない。

「お小遣いみたいなものかな? 万冊なんて汗拭きタオルよりも価値がないらしくてさ。くれるっていうんだもの。もらうしかないよね?」

 同意を求められても困る。

「こんなにもお金をもらって何をするの? ってか、まだもらってるの?」

 疑問に疑問が重なってく。

「うん。お金は一緒に遊んでるともらえてるよ。お姉さんこれが欲しいんだよねって的確に頂いてます」

 うわ。ダメな大人だ。というか、子供の教育に悪くないのか。

「親御さんはそういうことやってるの知ってるの?」

「庶民を飼いならすのは財閥の教育とかなんとかって、相手さんのパパ・ママは話してくれてるよ」

 親公認なのか。なら、こちらからダメと言うふうにはできない。

「それで何に使うの?」

「それはね、あなたとの旅行資金かな」

 旅行ねぇ……。こんだけあれば、リゾートに行き放題だろう。

「あんま嬉しそうじゃないね?」

「そりゃ……変なお金でいくってなるとね?」

 また違ってくるものだ。

「大丈夫。キレイなお金だから! エロくない小遣いだから、そうエロくない!」

 エロが悪いわけではないだろう。

 とはいえ、あたしのために頑張ってくれてるというのならば、そのやる気を削ぐのも違う気がする。

「じゃぁ行こうか」

 とりあえず、お金を回収させ、彼女が用意した旅行ガイドブックを確認してく。

「子供もついてくるの?」

「それはないよー。興味ないみたい」

 ふーん、なるほどね?

 お姉さんに興味はあっても、まだ実行力がないとかかな? 大きくなったらわからないなぁ。そこらへんのことをしっかりと考えてるのか、にっこりと笑う友達の考えは読めなかった。

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