あいつと誰か

バブみ道日丿宮組

お題:あいつと誰か 制限時間:15分


あいつと誰か

「ねー、今日あいつと一緒にいたよね?」

「んー? そうだったかな」

「もぅ! 隠したりしないでよ」

「そういうわけじゃないけど……確かに昼休みは一緒にいたかなぁ?」

「むぅー」

「学校以外ではこうして一緒にいるでしょ。それでいいっていったじゃない。第一にあのこは誰かと付き合ってるって話だよ」

「誰かって、聞いてないの?」

「話題にでることはあっても答えてくれてることはないね。笑ってごまかされる」

「ふーん、なかよしじゃないんだ」

「仲良しだって隠しごとの一つぐらいあるでしょ」

「あいつと付き合ってるってこと?」

「それはないでしょ。放課後も休日も君と一緒にいる中で、どうやって付き合うっていうの」

「そうかも。えへへ、わたしが大事なんだね」

「そうだよ。ただ……誰かってのは見つけてみたい感じはあるかなぁ」

「興味?」

「うん、秘密なお付き合いかもしれないし」

「先生とか?」

「それはニュースになっちゃうんじゃないかな」

「許嫁とか結婚が決まってるならいいんじゃない。わたしたちみたいにさ」

「僕たちは特殊だよ。他のカップルとは違う」

「そうかも?」

「そうだよ。だから、これからあのこの後を追ってみない?」

「バレない?」

「カップルでたまたま来ましたっていえば、なんとか誤魔化せると思う」

「でも、普通じゃないんでしょ、わたしたち」

「そうだね。同性っていうのは他で見られない付き合い」

「それにーー」


「「結婚が決まってる」」


「だからこそ、見える筋があると思うんだ」

「筋? 跡じゃなくて?」

「線みたいものだよ。決して消えない確かな繋がり」

「そんなふうにわたしを思ってくれてるんだと思ったら、嬉しい」

「大切に思ってるよ。誰よりも大事にしたいってね。そういう何かがきっとあのこの周りにも渦を巻いていると思うんだ」

「じゃぁ、いこっか」

「手をつないでいこうか?」

「ううん、お姫様抱っこがいい」

「それはさすがに僕が疲れちゃうし、玄関で力尽きちゃうよ」

「鍛える?」

「むきむきにはなりたくないかなぁ」

「わたしもむきむきなあなたは見たくないよ。だから、手を繋いでくれるだけでいいよ」

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あいつと誰か バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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