冬のような

バブみ道日丿宮組

お題:冬の夏 制限時間:15分


冬のような

「革命っていったいいつ起こるんだろうね」

「それは街が国に対して叛逆するとかって意味?」

「いや……かつてあった四季というのを取り戻してほしいって意味かな」

「だいぶ違くない? 革命って使い方間違ってない?」

「うーん、たぶん間違ってる」

「だよねぇ」

「いつまでも寒いってのはどうかしてる」

「寒いっていっても、6ヶ月間だけでしょ」

「だいぶ長いと思うよ。他の国じゃだいたい3ヶ月ぐらいだっていうのに」

「寒いか暑いかの違いしかないと思うな。だいたい四季なんてあっても、体感してる人は四季なんて関係ないと思うよ」

「そういうものなのかな」

「食欲の秋、読書の秋とかいうけどさ、だいたい活発になる夏のほうが食欲も、読書欲もわくでしょ」

「エアコンでがんがん冷えた部屋で食べるものは美味しいものね」

「今だって暖房つけなきゃ同じ条件つくれるよ」

「なんかね。人工的な寒さはいけるのに、自然的な寒さは耐えきれないんだよね」

「まぁ……空気が違うからね。人工はある意味悪い空気。だいたい人間って悪い方のが環境が過ごしやすかったりするんだよね。都心と田舎だと、空気が汚いのに都心のがよかったりする」

「自然いっぱいの田舎のが空気いいからよさそうなのに」

「あまりにも良すぎると逆に毒になるんだよ。こしょうや、タバスコのかけすぎは毒でしょ」

「少しある方が美味しいってこと? でも、なにもかけてないのもやっぱ美味しいじゃん」

「そりゃ素材は変わらないからね」

「でもさ、こしょうやタバスコは毒じゃないじゃん。別に健康に問題になるわけじゃない」

「かけすぎっていったでしょ。真っ赤なのとか、真っ黒なの。どっかの国はそんな感じだけど」

「環境が良すぎて、元の国に帰ったらお腹を壊したっていうのは聞くけども」

「田舎と都会の違いはそれに近いかな。まぁ国が違うわけじゃないから大きな変化があるわけじゃないけどね」

「ふーん。なんにしても四季はほしいかなぁ。もう8月っていうのに寒いし」

「もともとあった夏は冬に、冬は夏になっちゃってるからね。それだったら、冬は好きなの?」

「暑いからあまり」

「夏でも冬でも変わらないじゃない」

「そこで秋、春の調整が入るわけだよ。ちょうどいい気温にしてくれる」

「まぁ……わからなくもないわけじゃないけど……」

「だからさ、革命を求めてるんだよ。世界の変化をね」

「変化かぁ……もう変化あったから、こうなってるんだけどね」

「……そうだね」

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