悪魔の忘れ物

人とは忘れる生き物である。辛い事。悲しい事。

しかし、どういうワケか嬉しい事は優先的に忘れてしまうのだな。

嬉しい出来事は完結する。辛い事はずっと尾を引くモノだ。

何故ならば成功した経験と言うのは収まりの良い結果に過ぎないが

失敗の類と言うのは己に刻まれた永遠のテーマだったりするのだ。

人類よ。忘れ物には気を付けろ!俺様もネットサーフィンしてる時に

後で見ておこうと思ってたページとか

次に何を検索しようとしていたかを忘れちまう。


己を守る盾が何で出来ているかといえばそういう失敗の積み重ねなのだ。

そういう経験をせずに成功するヤツは一定数居る。

人と言うのは痛い目に遭わない様に生きているだろうが

どのみち、苦難と言うモノが訪れる。まるでそれまでの富を差っ引くが如く

どういうワケか地獄の国税庁が取り立てに来ちまうのだ。

それは他人の悪意の差し金でもあるし、己の魔が差したモノの具現化。

つまり罪を犯してしまう事だ。そこまで行ったのなら法で裁かれる他無い。

本来、人は失敗から己のブレーキ。制動を知るんだ。

どこでブレーキをかければ無理をせずに

自分の力を押さえ込んで他人と衝突しないで済むのかを知ることが出来る。

だが、ぶつかってばかりでも謝らない様なヤツには天罰が下る。


そういう人間が失敗を失敗と思わずに生きていると

どこかで耐えられない重圧の波に晒された時に

全くのノーガード。例えば予防接種を受けないで

大人が麻疹はしかに掛かると重たい症状が出るだろう?

どこかで、若い間に精神的な麻疹をやっておけば

後で肉体がエラーをエラーだと気付いて免疫が発生する。

人類よ。心の麻疹は中学生までに患っておけ!

後で痛いヤツになっちまうぜ。俺みたいにな・・・


要するに失敗は教科書なのだ。要領なんて悪くて良い。

頭のネジなんて足りないぐらいが丁度いいのだ。

己が何者なのかと言うのは失敗が教えてくれる。

しかし、これは失敗し続けろと言う意味ではない。

成功する為の実地試験に合格する為のプロセスなんだ。


勝負の分野で言えば負けっぱなしじゃ終われねえ。

だが、勝つまで割に合わなくても戦い続ける。

張り続けるのが生きていると言う事ではあるまいか?


どのみち、この世で「生きやすい」と言うのは

今の時代の甘い汁を吸えてるだけでこれからの災厄を知らぬ

呑気な奴らに過ぎぬ。だいたいの人はこの世界を

「生き辛い」と感じていたり「息苦しい」と思っているだろう?

ワケも分からない焦りに押し潰されそうになる感覚。

だけど、現世で性根が腐るとそういうのを他人のせいにしたり

目に映るモノ全てが敵に見える。そうやって生きていると視野が狭まる。


己が俯瞰で見える程に遠ざかれ。大事なモンってのはすぐそばにあるモノだ。

そういう時に全てを疑って生きてたらいよいよ息苦しくなるぜ。

誰かが嵐の様な一日を過ごしていても他人にとっては文字通り他人事。

そんな世界で誰もが幸せを願っているのだ。

人類よ。みんなと仲良くしろとは言わん。

お前を騙して金にしようとする様なヤツだらけだが

この世界はある程度の失敗なら取り返せる。いいや。取り返さないと

お前は正解に辿り着けないのだ。デビルあるあるだぜ。

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