違法少女捜索
今日は久々に監視者からの依頼でホラ、俺が前に言ってた違法少女の捜索。
たまにこの世に湧いて出る魔獣の素材を集めているらしい。
「・・・例えば黒獣の牙をすり潰したのと魔界の硝酸を混ぜたら、なんと爆弾が出来てな・・・発破する信管の作り方はこっちのと似た様なモンだが、爆発するだけじゃない。」
「こっちの爆弾と何が違うんです?」
「死霊の魂まで焼き払えると言った感じだな。工作スキルにしては
結構上級なんだけど・・・」
デビル豆知識を披露する俺。
違法少女ちゃんは俺からみたら魔力を持ってると言っても普通の人間。
それが逆に厄介でもあるのだな。戦闘力が高い割に
デビルスキルとかで検知出来ない。完全に勘が頼りって答え。
やって来たるは監視者さんのヒントで辿り着いた廃工場。
いかにもといった場所だが
その子を見つけなくてもいいから、魔獣の残骸とか見つければ
自ずと対象に近づける。そういった嗅覚はあるんで、ひたすらクリアリング。
「こっちだ。一応、銃の用意しといて。」
デビルニコフ小銃のボルトハンドルをコッキングして
これがサバゲ―だったら楽しいんだけど本当の狩猟になるかもしれない。
こちらの命も掛かるタイプの・・・
慎重にドアを開ける。こういう時にドガン!と爆破して突入すると
逆に相手が誰だか分からない。
すると思ったより狭い部屋で・・・
違法少女がお取込み中のところにバッタリ。
魔獣の角を切り落としてる真っ最中でした。
なかなかに良い切れ味の刃物を持っているが
彼女の口から一言・・・
「解せないね。身なりの良い悪魔に人間の女が付いてきて。
今お仕事中だから、ご休憩はちゃんとしたトコでお願いね。」
スゲー舌の回るヤツだ。
「用が無いなら帰ってくれない?
私は差別と頼んでもいないネット回線の営業電話が嫌いなんだ。
あんたらがカタギじゃないなら、今からでも
ちょっとダウナーな喋り方で、まるで魔獣の加工が日常的になってる様な女性だった。背中を向けていても殺気で分かる。近づけば斬られてしまうような空気・・・
「あの、私!悪魔探偵をやっていまして。今際野結と申します!」
「・・・戦う雰囲気じゃないっぽいね。なんか・・・やる気になれない」
結ちゃんのナイスタイミングでドンパチを避ける事に成功。
今回の任務は彼女の抹殺では無く、人材の獲得だったのだ。
警察官だったと言うのもあって、見知らぬ人に話を聴いたり
困ってる事を聞き出すのはお手の物。
軽妙なトークで怪しいモノでは無い事を分かってもらいながら
そこはかとなく情報を聞き出したり・・・・
「それでですね。そちらの都合さえ良ければウチで働いてみませんか?」
「・・・ちょうど一人でこういうのやってて暇だし、まぁ私で良かったら。」
その他お手製の武器を得物に使う彼女も
世間から見放された違法少女の一人。
敵を増やすよりは味方にした方が良いとの監視者の判断だった。
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