悪魔の昼下がり:製造業の館

「それにしても魔界深層技術業デビルアビスエンジニアと言うのは、どういうお仕事だったんです?」



とある昼下がりの探偵事務所の結ちゃんったらナイス質問。

人間の世界で言うファンタジー作品に出てくる様な冒険者と言った所だろうか?

魔界の更に深淵に向けてどれだけの下層に掘り進むことが出来るか。

その時に応じて、必要な道具、資材の調達の為に魔獣をハンティングしたり


そんなスタンドプレーが大好きな表立って戦ってるヤツの

裏方に回る事が多かったな。俺の闘争本能はあまり強い方ではないのだ。

身を守る為に戦闘技術はある程度持ってはいたが

探索の機械をクラフトしたりで1日が融けて行ったのはマジ忘れられねーよ。


そう。俺様はその状況で周りにある有り合わせの道具をかき集めて

オリジナルグッズを作るのが得意なのだ。DIYと言うヤツだな。

一人で何かするのが大好きで他人との協調性が無いのが俺の悪いトコ。

没頭するあまり、魔界イノシシの牙がケツに刺さっても

全くものともせずにそれを完成させた・・・

地獄のアダルトビデオの頑強なモザイクを処理するデバイスを作ってたのが懐かしい。

俺にモザイクは通用しないぜ!その濃厚な蟹味噌を見せろ!

全裸悪魔監督のお通りだぜ!

(悪魔世界のポルノコンテンツは9割甲殻類の映像です。シャコ系が一番ヤバい。)

って話はさておいて、調達へ行くって答え。



「と、言うワケで、悪魔ストレージの素材を確保する為だ。行くぜ!」


「え?魔界にでも行くんですか!?」


「悪いが俺は出禁を喰らってるのでな。この現世で良いモノを作り魔っス!」


そんでもって近所のリサイクルショップへ到着。この秘密基地っぽさたまんねー!


「へー。ブラウン管テレビとか、VHS!子供の頃に実家にありましたねー。」



結ちゃんも懐かしさに触れている様でなによりだぜ。

ちなみにその手に持ってるのは呪いのビデオだから

棚に戻させる。人類よ、たまにホンモノがあるから気を付けろ!


「あ、今流行りのレトロアレンジやっててですねー。機材の外側ガワだけでも欲しいんで・・・」


俺はブラウン管テレビとかパソコンのキーボードとか予算の範囲内で見つけ出す。

後は探知機系の何かを作る為に携帯ラジオとか使えないガラケーっぽいのも購入。

今日は大収穫だな。人間にとってのガラクタは悪魔の手でリサイクルされるんだぜ。


オークションサイトで心霊グッズとかあるが

たまにホンモノが売っているからな。人類よ。心霊グッズには気を付けろ!

スピリチュアル系もあまりお勧めしない。人類よ。知らない横文字には近づくな!


事務所に荷物も搬入していよいよ本題の開始だ。



・・・諸君!製造業の館へようこそ!!

昨今!物の消費促進。絶え間ない技術競争で

目まぐるしい半導体の新陳代謝。価値が高騰する希土類レアアース

人類の無駄な消費が増えている!物を大事にしていない!

もちろん買い取る事で回収もしているが

リサイクルが全く追いついちゃいねえ!

ましてや20年ぐらい前の電化製品何て今じゃ使い道が無い。

よって。地獄から来た悪魔の手で蘇らせてやる。


ある街のビルでは悪魔の嗤い声が聞こえるとか聞こえないとか・・・

フッフッフ。お前も製造業にしてやろうかー!?

今夜も一つマシンが出来る。この世のどこか 悪魔が嗤う・・・


怪しい火花散らす中、お前ら人間共の世界を脅かす・・・


完成だ!使えなくなったガラケーを改造して

街行く可愛い猫ちゃんの考えてる事が分かるマシーンの完成だぜ!

(悪魔は猫が大好き)

「まぁ、猫が考えてる事って謎ですよねー」


さっそく近所の野良猫に餌をあげながら声を拾う。


「可愛いー。」


「フッフッフ。さぁ猫ちゃんよ。インタビューだぜ。」


「ニャーォ!」


さっそくデジタルな文字として画面に変換される。


「なんて言ったんです?」


「え。『地獄に堕ちろ悪魔』だって。・・・デビルしょんぼり・・・」


「ヴェっさん、地獄出禁なんですけどね・・・」


猫ちゃんの目は異界を見ることが出来る。

飼い主たちよ。猫の目線には気を付けろ!

悪魔は口説こうとした猫ちゃんに嫌われて悲しい帰路についたとさ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る