Session4-3 束の間の再会

GM:翌、6:00。おそらく無事に起きれた君たちは、女将から乗合馬車代とその案内、それから出先で食べられる朝食のバスケットを貰って、店を後にすることになる。

目指すはひと月前に訪れた、『グレート・ロブ第3農場』……何事もなければ、昼ごろには到着できるだろう。


シンカイ:ぬぼ~。

イスデス:「おーい、シンカイちゃん起きてる?」肉球付き掌を目の前でぶんぶん

シュシュ:「……シンカイ様、こちらを」水を渡して

アルクトス:「顔にかけてやれば目が覚めるだろう」

オルフ:「どうせ4,5時間は乗ってるんだ。寝かせとけ」

シンカイ:よたよたと水を受け取りながら、はむっ(掌)。

イスデス:ぐわー!

シュシュ:「ひゃわっ……!!」

イスデス:「……寝ぼけてらっしゃるね」

オルフ:「あんま近付くな、噛まれるぞ」

ジャンくん(シュシュ):『……ごしゅじんは美味しくないぞ、何度か噛んでる私が言うんだ。間違いない』寝ぼけながらシュシュの尻尾をはむはむしている

オルフ:「……すごい事になってるな」めっちゃくわれてるじゃん。

シュシュ:(>△<)ノシ ジャンくんをぺちぺち。

アルクトス:かわいい。

オルフ:かわいい。


GM:旅路は順調。馬車に揺られ、13時ごろには目的の農場へたどりつく。

行きの昼食、それから帰りの食事も含めて、保存食の消費は1つでよいだろう。

オルフ:予め減らしておこう。

シュシュ:減らし減らし。ジャンくんのも入れて2日分減らしておこう。

イスデス:干し梅ときゅうりとおにぎりです。もぐもぐ。

シュシュ:1回20ガメルの保存食じゃん

オルフ:何と干し梅をキュウリを20Gにする代わりにおにぎりが無料に。

イスデス:またぼったくられてるじゃん……(笑)。



グレート・ロブ農場では、冒険者たちが以前訪れたときと異なり、10名より多い農夫たちの他に、武装した人物が少数、畑付近を見て回っています。収穫期にあわせて、農夫も少し雇ったのでしょう。

警備している者たちはというと、装備の質や態度から、明らかに君たちよりも格下であることがうかがえます。おそらくは、周辺の農村などから有志をつのったから、あるいはボランティアで警備している者たちでしょう。



オルフ:「ひとまず農場の責任者に話を通して指示を仰ぐか。行くぞ」

シンカイ:「承知。……どうやら、言うと忍びないですが数を揃えただけのようですので。 機械的な警備態勢ですわ」

シュシュ:「ではまず…イザムナ様の元を尋ねましょうか」

GM:はぁい。農場中央付近に赴けば、懐かしい顔ぶれがそろっている。

GM/ガストン:「ほらな、予想通りだったろ」

GM/イザムナ:「ああ、皆さん!お久しぶりです。 依頼を受けてくださったので?」

GM/ピピン:「オルフにーちゃん! 歌うまくなった!?」

オルフ:「普通だ」仕事に戻れ、と手でやりつつ。

GM/ピピン:「へへーん、今休憩中だもんねー!」

イスデス:「どもども~。ああ、依頼を受けてきたところですよ。」

GM/ディック:「ったく。よう……みんな元気そうだな」

ジャンくん(シュシュ):『お互いにね』

イスデス:「そちらも元気そうで何よりだ」にっこりと。

シンカイ:「ご無沙汰しております。御加減、儲かっておりますか?」

GM/イザムナ:「ええ、なんとか順調です。彼らもよく働いてくれています」

オルフ:「当然だな」あれで働いてなかったら蹴っ飛ばしてやるところだ、と告げ。

GM/イザムナ:「皆さんが来てくださったのは、やはりいい刺激になったようですし。ディックなんか、依頼が〈雀のお宿亭〉に回るかもと言ってずっと楽しみに……」

アルクトス:「そこまで楽しみにすることはないだろう……」

GM/ディック:「べ、べつに楽しみにしてたわけじゃねーし!!」

イスデス:「あらあらまあまあ」

GM/ピピン:「照れちゃってぇ~」笑い合う3人。

オルフ:「……はっ。まあ、今回はすぐ解決するんでそう長くはいないけどな」

GM/ガストン:「ふっ、そこまで自信があるのならありがたい」

シュシュ:「?」状況がわからず、笑う皆の顔を見回している。



GM/イザムナ:ひとしきり雑談を交わした後、「では、早速で申し訳ないのですが、現場までご案内します」と、君たちを連れて、4人は荒らされたというトウモロコシ畑……農場の東側へ向かう。

アルクトス:「ああ」

シンカイ:「拝見致します」深々と一礼。

GM:一面、緑の房が見えるトウモロコシ畑……そこに踏み込んだ君たちは、なるほどトウモロコシの一部が雑多に持ち去られていることに気がつくだろう。

ただ、被害自体はそこまで大きなものではないこともわかる。

シュシュ:「これは……酷いですね……」顔を曇らせ。

イスデス:「うーん、雑だねぇ。仕事が雑。野の獣でももっときれいに食べていくだろうに」

オルフ:「計画的なものには見えないな。量も少量。喰らう分だけを奪って行くような印象だ」

GM/ピピン:「これね、最初はおれが見つけたんだぜ。お手柄だーって思ったんだけどなー。さすがに夜どおし見張ってるわけにもいかなかったから、何回かはいられちまったみたいでさー」

GM/ガストン:「最初は、獣の仕業かと思ったんだが……どうやら違うみたいでな」

シュシュ:「きっと……大きくて恐ろしい蛮族です……」ぷるぷる。


GM:では、見識判定から。目標値11でどうぞ。

アルクトス:(ころころ)15で成功。

イスデス:(ころころ)出目3は失敗。ふむ、アルクトス君だけかな。

GM:では、成功したアルクトスはわかる。その痕跡……足跡を見ると、"何度か"踏み荒らしたような様子はあるが、それは複数人での犯行ではなく、どうやらすべて1人のようだ。

そして、大きな蛮族のものとは思えない。二足歩行ではあるが、少し小さめ。靴跡ではなく、獣の足跡のようなもの。人族ではタビットやベスティア、蛮族ではコボルドやライカンの足跡に近い。そう感じるだろう。


アルクトス:「ふむ……二足歩行、小さ目、靴ではなく獣の足跡で単独種類」

GM/ディック:「そう、コボルドとかライカンスロープとか。それか……」じっ、とイスデスを見る。

イスデス:「な、なんだいその目は。にやましいところは何もないと思うが」

GM/ピピン:「……まさか……イスデスにーちゃんがハンニン……」

シンカイ:「誓ってイスデス様は無実です。イスデス様なら水を盗みますわ」仁王立ちで庇います。

イスデス:「シンカイちゃん……?」

シュシュ:「……イスデス様、水は貴重な資源でございます」

オルフ:「そも昨日まで1日8時間はきゅうりと水飲んでただろ。往復で12時間かかるここに来る余裕は無い……はずだ」

シュシュ:水分取りすぎィ!

イスデス:「待て、何故無料なのに盗もうとするんだ。砂漠でそんなことしたら袋叩きだぞ」

オルフ:睡眠3時間、水タイム8時間、往復12時間、ゴーレム作成1時間。でちょうど24時間だな……(笑)。

アルクトス:水タイム8時間。

イスデス:水タイムとは。


GM/イザムナ:「あはは……ええと、被害についてなのですが」イザムナが苦笑いしながら、口を挟む。

「盗まれたトウモロコシは、合計で40~50本ほどです。報告からして、3回に分けて盗んでいったと思われます」

アルクトス:「4、50本は、そこそこなのでは?」

オルフ:「売るには心もとない量だ。個人消費の範疇じゃないか?」

イザムナ:「ええ。合計で見れば、そこそこの数なのですが……3回に分けたとして、平均15本程度。大きさ的に、ちょうど私がこうして一抱えで持てるくらいの量なんです」と、イザムナは積まれたトウモロコシを持ってみせる。

1つにつき200グラム程度の、多少小ぶりな『スイートコーン』種であり、持ち方を考えれば10本以上は一度に保持できる。


ジャンくん(シュシュ):『数の問題というよりも、近くにそういう輩が残っている。そちらのほうが問題なのだろう』

オルフ:「増えないとも限らないし、何より相手が蛮族なら作業員が害される可能性はある。討伐の依頼が出るのはおかしな話でもないな」

GM/イザムナ:「はい。最初にピピン君が報告してくれたのが、ちょううど1週間前。2度目の被害が4日前、そして3回目が判明したのが、昨日の朝方」

シュシュ:「……何と言いますか……一定のペースですね」

イスデス:「盗れるだけ持って、森に帰る感じですか」


シンカイ:「……確認ですが、此方の農場は他の番号も含めて、牧畜・家畜の類はいないのですか?」

GM/イザムナ:「はい。この近辺は農作物中心……牧畜は行っておりません。それに、近年急に開墾が進んだ地域なので、基本は1年ほどで収穫できるようなモノしか栽培していませんね」

シンカイ:「ありがとうございます。ふむ、妖魔ならば肉を優先するはず。 無いからトウキビなのか、それとも違う魔物なのか……」

オルフ:「ここのスイートコーンは蛮族の好むものである、という話がある」7月のお知らせに書いてあった。「妖魔や蛮族でも肉よりそれを優先する事は十分あり得るだろうな」

GM/ディック:「まあ、オレも好きだけど、まあ……蛮族の好物でもあるんだろうな」コーンスープ好きは子供っぽいと思っているらしい。少し恥ずかしそうだ。

シュシュ:「そうなんですね……芯しか食べたことないな……」

アルクトス:「むしろ芯は捨てるところだろ……?」

シュシュ:蛮族が食べたコーンの芯をエサの器に放り投げられてたのでそれを食べてました(軽率に曇らせる)。

シンカイ:「わたくしはあまり好みではないのですよね…。 病状がひどい頃の重湯代わりでして、味はよくても飽きてしまったわ」

オルフ:「ほら、まずは足跡を追うぞ」と、探索を始めよう。

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