第76話 選挙結果:2024年1月
(衆議院選挙の選挙結果が判明する)
2024年1月。東京。ユニバーサル・ジェンダー党オフィス。
「選挙速報をお伝えします。開票作業が進んで、全議席が、確定しました」
衆議院の選挙結果が出た。女性議員比率は、70%に達した。そのうち、ユニバーサル・ジェンダー党の議員は45%だった。男性議員も含めて、ユニバーサル・ジェンダー党の議員は、55%に達し、単独過半数を占めた。
この物語の登場人物では、南山洋子と佐々波良子は当選した。一方、鈴木太郎はあと一歩で、当選を逃した。
その結果、ユニバーサル・ジェンダー党の党首である南山洋子が、次期首相になることが、確定した。
ところで、ユニバーサル・ジェンダー党は、衆議院では、議席を得たが、参議院では、議席がない。しかし、このことは、ジェンダー関係の法案には、障害にならなかった。参議院も、改選では、45%の女性優先枠が設定されている。従って、ジェンダー関連法案に反対したことがバレれば、次の選挙での当選はおぼつかなくなる。それで、ジェンダー関連法案に反対するという選択は、ありえなかった。
問題は、参議院議員で、ユニバーサル・ジェンダー党に入党したいという希望者が出たことである。しかし、鞍替えした議員が不祥事を起こせば、党のイメージが低下する。そのリスクを考えれば、受け入れる選択はなかった。仮に受け入れるにしても、その前に、アマゾネス・ウーマンズ・パートナーシップの登録議員として、一定期間の評価に耐えることが必要なことは、賢明な読者であれば、想像出来るだろう。
ユニバーサル・ジェンダー党が、最初に提出、成立させた法案は、家事や育児をしながら、国会に出席出来るリモート国会法案であった。
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