前のエピソード――第47話アマゾネス・ウーマンズ・パートナー社の設計図:2023年5月

（議員定員の45%を優先的に女性に割り当てる選挙法案が可決した）

2023年6月。東京、衆議院本会議場。

「それでは、これから、選挙法の改正法案の投票を行います。

本法案は、衆議院議員および参議院議員の定数の45%を女性に優先的に割り当てるものです。なお、1人区では、割り当て調整が非常に困難になるため、選挙区は、全て2人区以上に再編されています。本法案では、この割り当ては、暫定的なものとして、1年以内に改定するとの付帯条件がついています。本国会の会期は6月末までです。ジェンダー・エクイティ・レポートの共通フレームワークが5月に出ています。その結果、ジェンダー問題解決の緊急改善計画の着手は、11月まで、計画のアウトカムズは、翌年の1月までに、対応ができていないと経済制裁が、発動される可能性があります。このため、この法案は、選挙区割りは暫定にして、本国会の会期中に法案を成立させることを優先している点をご確認の上、投票願います」

議長が説明した。

投票の結果、選挙法の改正法案が成立した。この法案の趣旨は、緊急改善計画を実施して、ジェンダー差別の解消と経済制裁の回避にある。与野党を問わず、この法案に反対した議員が、次の選挙で当選出来る確率はゼロに近かった。もちろん、現職議員の9割以上は男性なので、この議案に賛成することは、再選の確率は最大でも50%になることを意味する。それでも、0%よりはマシだという判断が働いて、改正法案が成立した。