第36話 年齢差別の報復関税の影響:2023年5月

(年齢差別の報復関税が実施された)


2023年5月。東京。T商事オフィス。


「いよいよ年齢差別の報復関税が始まった。データに影響は出ているか」

「関税率は15%です。単純に考えれば、関税によって価格が15%上がれば、売り上げは15%減ります。しかし、経験則では、売り上げの減少は、価格上昇の2倍になります。つまり、売り上げは、30%減になります。これを基準ラインとして考えると先週の関連部門の取引先の小売りの売り上げデータの減少は25%なので、予想よりは小さいことになります」

「予想よりも小さいといっても、25%も売り上げが減ったら、少なからぬ影響が出るだろう」

「売り上げ減少の影響は、売り上げ減の直接的な影響と、固定経費の増加の2つの面で表れます。後者は、影響をうける商品の割合が高いと、影響が大きくなります。つまり、特定の生産者と小売には、影響が大きくなります。特に、品目の少ない場合にリスクが高くなります。簡単に言えば、アメリカ向けだけの商品を製造している企業に、集中的に影響が出ているはずです」

「それでは、当面は、大丈夫なのか」

「今すぐに、アウトになる企業は、少ないです。日本の貿易先では、アメリカ、中国、EUの割合が高いです。今後、EUが、アメリカに同調した政策に転じる可能性も高いです。その場合にはかなり、危ないことになります」

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