先に行って待ってるよ
私たちの間を流れる風が髪を乱していく。
「怖い?」
前を見つめたまま私は彼女に聞いた。少しだけ、と彼女は答えた。
「じゃあ先に行くね」
もたれかかっていたフェンスから背を離すと、私は迷うことなく宙へ身を舞わせた。
「また後で会おう」
ちゃんと追いかけてきてね。
#言葉の添え木 「お先に」
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