不器用な奴

「ありがとう」

不意に聞こえてきた声に、俺はスマホから顔を上げまじまじと彼を見返した。

「……急にどうした?」

「別に。何でもない」

意味がわからない。

戸惑う俺を置いて彼はさっさと歩き出す。いつもの通学路。久しぶりに見る後ろ姿。

俺はフッと笑みを溢した。

ほんと、お前は不器用な奴だな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る