星空の思い出
土曜午後二十時。僕は望遠鏡を覗きながら小さく唸った。
「どうよ、見えた?」
肩越しにそう尋ねられ、視線は外さないまま答える。
「まだ……今日はもう無理なんかな」
「おいおい、もう諦めんの?」
その軽い口調にむっとする。
「な訳ないし」
意地になった僕を見て、そうこなくちゃと彼は笑った。
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