第265話 確かめたことは無いけれど(社会人女性。友情片想い?)

日南ひなみさん! これ、マドレーヌ作ったの。良かったら」

「ありがとう」


「海野さん、前に言ってた美術展のマスキングテープ。良かったら」

「わ、ありがとう!」


「ねえねえ」

 先輩が、海野のもとに椅子ごとやって来る。


「最近さ」

 同じ課の同僚が、資料を渡すついでに日南に問う。


「「二人、やけに仲良くない?」」


 海野は小首を傾げた。


 日南は、くす、と口角を上げた。


「「同期だからね」」


 違う場所で、同じ答えを口にする。


 友人とは違うかも知れない。

 仲間と言えば近いかも知れない。

 けれど、名前のつかないあなたとの関係性を、私はとても気に入っている。

 二人は、ご機嫌に互いの手の中にあるものを慈しんだ。


 END.


 こちら(https://kakuyomu.jp/works/16816452220371917465/episodes/16817139556622580854)からもうしばらく経った二人。

 敢えて名前のつかない友情のような、仲間のようなそんな関係性を、すこーしずつ深めていく二人です。たぶん、今もちょーっとずつ深まっていっているのではないでしょうか。

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