第24話 それは少女の頃と同じように(おばあさん同士のロマンシス。それぞれ恋人♀あり)


「あっ、小槙ちゃんからメッセ来た!」

「やれやれ、七十過ぎのババアが三十も下の小娘にお熱とはね」

「恋愛に歳は関係ありません~。ていうか、アンタも私と同い年なんだからね!」

「私は身の程を弁えたババアだからね。もうれたよ」

「やあね~。身の程弁えてるんじゃなくって、情熱を燃やすほどの体力が無いだけでしょ」

「だから涸れたって言ったろ」

「……。奥さん、何回忌だっけ?」

「そろそろ七回忌かね。まったく。私の方が長生きするなんてね」

「いい思い出話、いっぱい作って持って逝きなよ」

「そうするつもり。けど、恋愛以外。あの子は、ヤキモチ妬きだから」

「お熱いわねぇ」

「アンタも」

「ん?」

「あんまり入れあげるのは止しなよ。私らに失恋する体力があるなんて、過信するんじゃないよ」

「……わかってるわよ」


 老女が二人。

 窓辺でお茶を飲みながら語り合う。


「でも、いざそのときになったら慰めてね」

「私がそのときまで生きてると思いなさんなよ」

「やぁね、生きててよ」


 それは、少女の頃と同じように。

 楽しげに、時に切なげに。

 彼女たちは、今日も語らい、笑い合う。


 END.

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