栄光あれ!

勝利だギューちゃん

第1話

「やあ、頑張ってる?」

女の子が、にこやかに声をかけてくる。


「もしかして、不機嫌?」

顔を覗き込んでくる。

「うーん、かなり重症みたいだね」


とても、心配そうな顔をしている。


「よし。仕方ない。お姉さんが君に元気をあげよう」

お姉さんって・・・

どう見ても、僕のほうが年上だ。


それに、君って・・・


「お姉さん系嫌い?妹のほうが良かった?お兄ちゃん」

嫌、妹でも離れすぎている。


「でも、私はお姉さん系がいいから、これでいくね」


もう、面倒くさいから、いいや・・・


世の中、スポットライトを浴びるのは、ひとつまみ。

一握りにはなれるかもしれないが、多くは零れ落ちて、その他大勢に落ち着く。


神様に愛される人は、少ないのだ。


でも、それなら抗ってやる。


絶対にあの表彰台に立つんだ。


「覚悟はいい?」

「準備はできた?」

「いよいよだね」


隣にいる女の子が、声をかけてくる。


今、僕は車の運転席にいる。

本物の免許は持っていない。

人生にライセンスなどない。


不要なのだ。


「じゃあ、私がナビするから、君は運転に集中して」

「何かあったら、私が助けるから」

「君はただ、自分と・・・そして、私をあの場所へ連れてって」


アクセルをふむ。


『君の人生に、栄光あれ!』

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栄光あれ! 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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