第61話 再会

目が覚めるとそこは知らない天井だった


「お、起きたか?」


「ここは?」


「今日泊まるホテルだよ。それより大丈夫か?」


「あ、あぁ大丈夫だ」


気絶している間に着いていたらしい

ということはここは既に…

考えると気持ち悪くなる


「今日はもう寝るよ、ありがとな」


「おう、明日に備えてゆっくり休め」


布団を被ったが結局すぐには寝ることは出来ず

日が昇った朝方にようやく寝れた



「クソ眠い」


寝不足だし体調はすこぶる悪い

正直こんな状態で試合など出来たものではない


キルシに支えてもらいながらなんとか魔法学園に到着する

デカさは騎士学園と同じくらい


学園内は学年別最強決定戦の時と同じくらい賑わっていた

だが来ている人数はその時とは比にならないレベルで勝利校が会場となる理由が分かった


祭りのような空気で気が紛れ

体調も少し回復してきた


魔力を感じる余裕ができた

比べるまでもなく魔力門を解除してる人間がめちゃくちゃ多い

流石は魔法学園


試合は闘技場で行われる

闘技場も騎士学園と同じような造り


試合までに少しでも体調を回復する為、人がいない木陰で瞑想をしていた


近付いてくる魔力反応が3つ


目を開けるとそこには奴がいた


「死んでると思ってたのにまさかこんな所で会うとはなぁ!!!ルーカスゥー!!!」


あの頃から身長はデカくなっているが相変わらず横にデカい体型

気持ち悪い笑みを浮かべながら笑う顔

なにより僕を地獄に落とした声


忘れる訳もない


忘れる筈もない


お前だけは許さない


お前をぶっ飛ばす為だけに今日まで生きてきた


なのに…

なのに……

奴の姿を見た瞬間金縛りにでもあったように身体が硬直して言う事を聞かない


「可哀想に震えて怖いのかな?」


「ピートさん誰すかこいつ」


「震えちゃって可愛い〜」


「こいつは俺の奴隷だよ」


相変わらず取り巻き作ってお仲間ごっこをしているんだな!クソデブめ!!


そう言いたいのに口が動かない


「なーんでこんな日にお前がいるのかな?まさか選手だなんて言わないよなぁ?」


ニタニタしながら僕の顔を覗き込む


「お前みたいな弱虫は俺に虐げられる為だけに存在してるんだよ!!」


ピートが僕を蹴り倒す


「なんとか言えよ?お?」


僕を見下ろしながら[魔力弾]を放ってくる


「つまんねぇな、お前らやれ」


反応がない僕に興味をなくしたピートは取り巻き2人に指示してどこかへ行く


「おめぇに恨みはねぇけどピートさんの命令なんでな!」


「可愛い声で鳴いてよねぇ」


その後10分程2人に[魔力弾]を打ち込まれ続けた

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