第43話 部活動②
キルシは昨日野球部に連行されムキムキだらけの空間で2時間筋トレを強制されるという地獄みたいな時間を過ごしたらしく酷く疲れていた
「機嫌治せって」
「絶対許さんからな」
逃げた僕にご立腹なキルシ
なかなか期限を直してくれなかったので帰りにご飯を奢る約束をしてなんとか許してもらった
今日の放課後は文化系の部活を巡る予定だ
文化系といってもどんな部活があるのか想像もつかないが、きっと僕やキルシのようにぼっち属性の人間が多数いるはず
そんな想像をしながら授業を受けていたら今日受講予定の授業は終わっていた
キルシは受講する授業がほとんどなかったらしく文化系の部活の情報を集めていたらしい
「どこから行くんだ?」
「ルーカスが好きそうなところだ」
自信満々な表情で案内するキルシに付いていくと普通の教室に着く
札にはなにも書いてないし空き教室だろうか?キルシは空き教室のドアを開けるとそこには5人の生徒が立っていた
「「「「「ようこそっ!オタク研究部へ!!」」」」」
5人は声を揃えて言いながらポーズをとる
そのポーズはかつて僕が憧れたマジレンジャーのポーズであった、体型こそ違うがポーズのキレや角度などよく練習しているのが分かる完成度で少しだけ感動した
キルシはいきなりの事で引いていたが、すぐに僕の方を見てどうだ?とでも言いそうなドヤ顔をしてくる
いや違うだろう
まずオタク研究部ってなんだよ漫画同好会とかなら分かるけど
オタクを研究してどうすんねんってかこいつら全員オタクだろう
心の中でツッコミまくってしまった
確かに僕はこういうのはマジレンジャーが好きだと話した事はあるがこういう事じゃない
直ぐにキルシを連れて出て行こうと思ったのだが5人の生徒はクセが強くなかなか帰らせてくれず気付いたら2時間経っていた
結局今日もまともに部活の見学が出来なかった
キルシと一緒に行動してるのが原因な気がするが勝手にいくとすぐ拗ねるから面倒臭いんだよな…
考えながら歩いていたらめちゃくちゃ美人な人が歩いていた。先生か?どこかで見たような…
「めちゃくちゃ綺麗な人だ」
「凄い美人だよな生徒会長」
「は?」
思わず声が出た
あの人が生徒会長だと?この騎士学園における生徒会長とは4月時点の3年最強の生徒という意味だ、つまり並みいる強者やムキムキの野郎共より強いのがあの美人という事になる
そんな事が有り得るのか
「なんで知らないんだよ入学式で挨拶してたろうが」
「いや普通に興味なくてぼーっとしてた」
呆れた様子のキルシだがほんとにぼーっとしてたのだから仕方ない
見たことある気がしたのはほんとに見たことがあったからだった
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